創業54年の企画制作会社が提案する日本の心を感じる文様シリーズ其の一「矢絣」
この記事は、プリントボーイが創業より続けているアナログコミュニケーション、“お元気ですかはがき”のテーマと連動した記事となります。
今回からお元気ですかはがきの新シリーズとして、日本の「伝統文様(もんよう)」の中でも「吉祥文様(きっしょうもんよう)」を中心にご紹介いたします。皆さまの吉を願う、プリントボーイの想いをお伝えできたら嬉しいです。また、季節に応じた文様の変化も、ぜひお楽しみください。
記事で紹介しました「伝統文様」を “お元気ですかはがき”としてご希望のお客様のお手元にお届けいたします。記事とあわせてぜひご覧ください。
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「伝統文様」は日本の文化に根付いており、その美しいデザインは古くから人々を魅了してきました。近年は、「MONYO(モンヨ)」という言葉が外国でも知られるほど、その美しさと意味深さが評価されています。
「伝統文様」が表現する美しいデザインは、古くから日本人の心を捉え、時代を超えて受け継がれてきました。
これらの文様は、単なる装飾品に留まらず、日本人の生活や精神に深く根ざした意味を持っているといわれています。起源は古代にまで遡り、神話や伝説、自然現象などからインスピレーションを得ています。また、季節ごとに様々な伝統文様があり、国内外問わず多くの人々に親しまれています。
本シリーズでは、季節にあわせた吉祥文様に込められた意味を解説し、文様を効果的に取り入れたはがきデザインをご紹介させていただきます。
1. 吉祥文様とは?
「吉祥文様(きっしょうもんよう)」は、様々な文化において幸運や繁栄を象徴する文様を指します。吉祥文様の特徴は主に三つあります。
一つ目が豊かな色彩です。主に幸運を象徴する色(金や銀など)が用いられ、鮮やかさが魅力です。
二つ目が「吉祥文様」は特定のシンボルやパターンが繰り返されることが多いことです。これは繁栄や幸運を繰り返しますように、という意味があります。
三つ目が「対称性」です。調和やバランスが表現され、幸運を呼び込むと信じられています。
吉祥文様は、衣服や建築物などさまざまな場面で活用され、お祝いや特別な行事に関連付けられることもあります。お祝い事の席などで無意識に見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
2. 「矢絣」はどんな文様?
日本の伝統文様の縁起と意味
矢絣(やがすり)は、日本の伝統文様の一つであり、「吉祥文様」としても縁起が良い文様として様々な場面で活用されています。今回その起源や意味、そして現代における活用についてご紹介いたします。
矢絣の起源と歴史
矢絣の起源については諸説ありますが、一つの説として、武士や戦士の防具である鎧の文様に由来するというものがあります。鎧の篭手(こて)や胴などに矢絣の模様が見られることから、これが一般的な文様として広まったと考えられています。矢絣の模様には、矢が描かれており、「不幸を取り払い、幸せを射抜く」という意味合いがあります。矢が的を射る様子を連想させるため、目標達成や成功を象徴する意味も持ちます。
また、「一度放った矢は戻らない」ことから、江戸時代には縁起物として結婚の際に矢絣の着物を持たせる風習が生まれたとされています。また、明治時代になると袴が女学生の制服として定着したこともあり、矢絣は定番柄として親しまれています。漫画『はいからさんが通る』の主人公も同様に矢絣柄の着物を着ていたことから、「大正時代の女学生といえば矢絣」というイメージを持っている方も少なくないのではないでしょうか。
矢絣に込められた意味
矢絣が縁起の良い文様とされる理由には、以下のような要素があります。
- 不幸を祓い、幸せを射抜く
矢絣の模様には矢が描かれており、不幸を遠ざけて幸せを引き寄せるとされます。 - 目標達成や成功の象徴
矢絣には、的(目標)に向かってまっすぐ突き進む矢がが表現されており、目標達成や成功を象徴する文様としても捉えられます。 - 守護
矢絣は、魔を滅し危険から身を守るという願いが込められています。
3. 今回のデザインポイント
長い年月愛されてきた伝統文様「矢絣」。今回「お元気ですかはがき」に落とし込む上でのポイントを、担当デザイナーと印刷ディレクターにインタビューしました。
フォントへのこだわり
文字で特にこだわったポイントは、メインの赤い「矢絣」の文字です。オリジナルで作成した書体デザインです。今回ベースとなる書体は「リュウミン」を選定しました。
「リュウミン」は、先端の「はらい」や「うろこ」があり、上品な書体です。はらいとは、漢字や仮名の最後の部分を曲線的に引きながら細くするデザインのことを指し、文字に動きや優雅さを与えます。「うろこ」は、はらいや止めの部分に見られる、文字の端が少し膨らんでいるような形状で、これも文字に装飾的な美しさを加えます。
今回は、直線的でシャープな印象の文字を、さらに上品な仕上がりにするため、横線の太さをシャープに修正し、上品かつ繊細な仕上がりに調整しました。ぜひ柔らかさや高級感を感じていただけたら嬉しいです。
以下に記載の添え文に関しては、皆さまがより読みやすいようユニバーサルデザインフォント(UDフォント)を使用しています。
UDフォントとは、誰にでも読みやすく使いやすいように設計されたフォントのことです。目の不自由な方や高齢の方、外国の方など、多様な人々が使いやすいように、文字の形状や間隔が工夫されています。特に、視認性や可読性に優れ、公共施設や教育機関、企業の資料など、幅広い用途で使用されています。今回、読みやすくなるよう、添え文で使用させていただきました。
UDフォントにご興味をお持ちの方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
▼ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)についての記事はこちら
今、ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)が求められている理由とは?誰もが見やすい文字について解説
色彩へのこだわり
今回、色は特色トナー(スペシャルトナー)の「メタリックシルバー」を使用し、現代的にブラッシュアップしました。
特色トナーは、通常の印刷で使用されるベーシックな4色(シアン(青)、マゼンタ(赤紫)、イエロー(黄)、ブラック(黒))トナーではない5色目のトナーになります。
特色トナーには、例えば白トナー、蛍光トナー、発光トナーなどもありますが、今回使用した「メタリックトナー」は、金属の輝きや光沢を持った特殊なトナーで、ロゴや装飾的な要素を際立たせるのに使用されます。
今回は、特色トナーの良さもお伝えできるよう「メタリックシルバー」トナーを使用いたしました。ぜひ4色だけでは出せない色の違いをお楽しみください。
印刷紙へのこだわり
今回選定した、「パール」という紙は、パール顔料を塗工してできています。実は、細かい粒子が光に反射することで、キラキラと光る「真珠」のように美しく輝きのある紙になっています。ツヤ感・立体感を出したい場合、高級感やきめ細かい質感や輝きを出したい場合に最適です。
今回使用しました特色トナーの「メタリックシルバー」が、「パール」紙の光でキラキラする性質により、トナーと紙がお互いを引き立てて一味違った仕上がりになっています。
環境にも配慮
今回のはがきは環境に配慮し、「FSC®認証(※)」紙を使用しています。詳細はこちらの記事をご確認ください。
▼FSC®認証に関する記事はこちら
SDGsへの取り組みを加速する!|森を守るマーク FSC®認証の活用
4. まとめ
今回は、日本の心を感じる文様シリーズVol.1として「伝統文様」をご案内しましたが、いかがでしょうか。
ホープン(旧社名:プリントボーイ)では、今回のような特別なお手紙・ダイレクトメールの制作など、コミュニケーションに関するコンテンツ制作でお客様をサポートさせていただいております。ぜひお気軽にご相談ください。
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