捨てられていたにんじんの皮を活用したアップサイクル用紙「vegi-kami にんじん」

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公開日:2023/01/24 更新日:2024/03/22
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捨てられていたにんじんの皮を活用したアップサイクル用紙「vegi-kami にんじん」

創業50年の印刷会社が提案する「気軽に取り組むSDGs!」Vol.12

この記事はプリントボーイが創業より続けているアナログコミュニケーション、“お元気ですかはがき”のテーマと連動した記事となります。
記事で紹介しました環境に優しい用紙の実物を “お元気ですかはがき”としてご希望のお客様のお手元にお届けいたします。記事とあわせて是非ご覧ください。

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  • 自然と事業の共生についてのアイディアが得られる
  • フードロス(食品ロス)の問題について身近に考えられる

▼ 気軽に取り組むSDGs!バックナンバー記事


昨今、ますます広がっているフードロス(食品ロス)の問題。
フードロス(食品ロス)の中でも多くを占めているのが野菜だといわれています。
今回は、食品加工する際にどうしても出てしまう「にんじんの皮」を使用したアップサイクル紙素材「vegi-kami(べジカミ)にんじん」をご紹介させていただきます。世界の食料問題について考えるきっかけとなれれば幸いです。

1.社会問題になっているフードロス(食品ロス)の現状

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フードロス(食品ロス)とは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。捨てられる理由は、家庭での食べ残しのほか、企業では売れ残りや賞味期限切れ、パッケージに傷や汚れがあるため店頭に並べられないなどの理由で発生しており、外食や小売、食品メーカーによる事業由来のものも多くあります。フードロス(食品ロス)は、SDGs(Sustainable Development Goals)の持続可能な開発目標12「つくる責任つかう責任」の中でも重視されている項目で、企業と生活者両者が取り組まなければならない課題のひとつです。

環境省が平成24年から公表している「食品ロスの発生量の推計値」によると、令和2年度は約522万トンのフードロス(食品ロス)が発生しています。前年度と比べ、事業系が約34万トン減少、家庭系が14万トン減少と低下傾向にありますが、まだまだ膨大な量です。
食品ロスの削減は資源循環と炭素中立型の経済社会を形成する上で重要な課題です。「持続可能な開発目標(SDGs)」のなかでも、2030年までに世界全体の1人あたりの食料廃棄を半減させると定められています。

フードロス(食品ロス)は、もったいないだけでなく、社会・環境・経済的にも大きな問題を引き起こします。
食料不足問題では、世界中で生産されている食料は先進国に集まり、平等に行き渡っていないのが現状です。世界の飢餓人口は最大8億1100万にのぼるといわれ、世界の人口の約1割、10人に1人が飢えに苦しんでいます。このまま気候変動をはじめとする環境問題が改善されなければ、人口の増加にともない、食料が足りなくなることが予想されています。
また、フードロス(食品ロス)は廃棄処分する際に温室効果ガスを発生させるため、地球環境へ大きな負荷もかけています。温室効果ガスが増えて地球温暖化が進むと、気候変動によってこれまでなかったような異常気象や自然災害が発生し、この影響を受けて作物が育たなくなったり、動物たちの生態系も崩れていったりすることも考えられます。
経済面における損失も莫大なものになっています。最終的に捨てられてしまうものであっても、すでに生産、流通においては、ヒト・モノ・カネの多くのコストがかかっています。フードロス(食品ロス)が発生すれば、その全てがムダになっているのです。

1-1.企業のフードロス(食品ロス)はどうして出るの?

企業からフードロス(食品ロス)が出てしまう原因は、業種別に異なります。ここからは、以下の3つの業種別に原因を解説していきます。

  • 食品製造業
  • 食品卸売業・小売業
  • 外食産業

1-2.フードロス(食品ロス)が出る原因

フードロス(食品ロス)の原因をご紹介します。

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それぞれの事業に共通する大きな問題は、欠品させないように食品を過剰生産することです。

 

2.企業がフードロス(食品ロス)を削減することのメリットは3つ!

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ここでは企業がフードロス(食品ロス)を削減することのメリット3つをご紹介します。

①食品の廃棄コスト削減

フードロス(食品ロス)を廃棄するにも、企業は廃棄にかかる費用を負担しなくてはなりません。フードロス(食品ロス)を削減することで、廃棄コストも削減できるメリットがあります。

②企業イメージの向上

食品を取扱う企業なのに、大量のフードロス(食品ロス)を出していては、企業のイメージとしてあまりよくありませんよね。フードロス(食品ロス)削減の取組みを行っていることが消費者に伝わるだけで、企業のイメージアップにつながります。

③日本の食料自給率がアップし世界全体の食料確保に貢献

日本は海外から多くの食品を輸入していますが、同時に大量のフードロス(食品ロス)を出しています。日本の年間の食品廃棄量は、飢餓で苦しむ国への食料援助量の約1.7倍とも…。企業のフードロス(食品ロス)を削減できれば、過剰な輸入をせずにすむため、世界全体の食料不足を防げるのです。

 

3.フードロス(食品ロス)が「アップサイクル」で生まれ変わる

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フードロス(食品ロス)を削減する企業の取り組みのアイディアとして、捨てられてしまう野菜をアップサイクルした商品を販売する取り組みが見られるようになってきました。
アップサイクルとは、捨てられるはずだった廃棄物に加工を施してデザイン性や実用性を高め、新しい製品として生まれ変わらせることです。これまで再利用といえばリサイクルが主流でしたが、原料へ戻すまでにエネルギーを必要とするため、素材をできるだけ活かして製品化するアップサイクルのほうが、より環境負荷を低減できる手法として注目を集めています。

 

4.野菜のアップサイクルから生まれた「vegi-kami にんじん」

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※提供:ペーパル社

今回、ご紹介する「vegi-kami にんじん」は、にんじんを加工する過程でどうしても出てしまう、皮など廃棄される部分を活用したアップサイクルで生まれた用紙です。ただにんじんを使うだけでなく、あえて質感を残してパルプと混ぜることで、紙の表面に素材の持つ色・質感があらわれます。「vegi-kami にんじん」の紙の表面をじっくりと見ると、ほのかなオレンジ色のつぶつぶが。にんじんが豊かな表情と質感を生み出します。また、素材の売上の1%をフードバンクに寄付することで、フードロス問題の解決を応援します。

 

5.「vegi-kami にんじん」ができるまで

「vegi-kami にんじん」はつぶつぶの質感や豊かな紙の表情と印刷加工性のどちらも損なわないよう、幾度となく試作を繰り返すことで理想の品質を実現しました。開発元のペーパル社より提供していただいた資料画像と併せて「vegi-kami にんじん」ができるまでをご紹介いたします。

※以下提供:ペーパル社

 

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①加工工場から回収した、にんじんの皮を回収して細かく砕く

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②にんじんを均一にパルプと混ぜ合わせる

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③品質を追求するために、手作業で混ぜる

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④不純物やかたまりなどを丁寧に手で取り除く

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⑤混ぜ合わせた原料を均一に広げ、シートを作る

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⑥フェルトに乗せてプレスロールにはさむ

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⑦水分を絞ったあとに乾燥させて表面をなめらかにする

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⑧vegi-kami にんじんの完成

 

5.「vegi-kamiにんじん」おすすめの活用方法

【記事】2412_6.png

※提供:ペーパル社

「vegi-kami にんじん」は、野菜を使った用紙でありながら白色です。そのため、美しい発色を実現でき、にんじんのつぶつぶがデザイン性をより引き立てることができます。
会社案内や名刺などに使用することにより、めずらしい紙であるため独自性も生まれ、お客様との話題作りにも役立てます。
また、加工性が良いのでレストランのメニューや紙製ランチョンマット、料理教室のレシピシートや調理学校の卒業証書など様々な用途で活用いただけます。その他にも貼箱やスリーブ、パンフレットやリーフレット、封筒、名刺、メモ帳、紙袋などで、にんじんのつぶつぶを生かしたデザインを楽しめます。厚さは「135㎏」と「90㎏」の2種類あり、用途に合わせご選択いただけます。

【記事】2412_8.jpg

※提供:ペーパル社

【記事】2412_9.jpg

※提供:ペーパル社

6.まとめ


昨今、ますます広がっている食品ロス問題。今回ご紹介したように、家庭はもちろん、企業のフードロス(食品ロス)も問題になっています。
食品ロス自体は年々低下傾向にありますが、まだまだ膨大な量です。
また、「持続可能な開発目標(SDGs)」のなかでも、2030年までに世界全体の 1人あたりの食料廃棄を半減させると定められています。日本の年間食品廃棄量は飢餓で苦しむ国への食料援助量の1.7倍ともいわれているため、 フードロス(食品ロス)の問題に取り組むことは、世界全体の食料不足を防ぐ1手となります。
今回ご紹介した 「vegi-kami にんじん」は、食品加工する過程でどうしても出てしまう、皮など廃棄される部分を活用したアップサイクルで生まれた用紙です。一人ひとりが、食にしっかりと向き合い、工夫し、出来ることから始めていく。そんなきっかけになる紙をぜひ手に取ってご覧ください。

プリントボーイでは、これまでもコーヒーカスで作られた「コーヒー再生紙 Caffe Latte」や、卵の殻が地球に優しく生まれかわった再生紙CaMISHELL®(カミシェル)をご紹介させていただいております。お客様の様々な課題に対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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▼ 参考サイト


当社はFSC® CoC認証を取得しています。当社のライセンス番号はFSC-C133621です。
We are certified to the FSC® CoC standard. Our license code is FSC-C133621.

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PRINTBOYの新規事業を企画・運営する部門がお届けする、業務改善お役立ち情報サイト”BST”の編集チームです。多種多様なメンバー+その時々のゲストメンバーで、皆様の日々の業務における”困った””わずらわしい””こうだったらいいのに”を解決する情報をお届けします!
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