創業50年の印刷会社が提案する「気軽に取り組むSDGs!」Vol.8
この記事はプリントボーイが創業より続けているアナログコミュニケーション、“お元気ですかはがき”のテーマと連動した記事となります。記事で紹介しました環境に優しい用紙の実物を “お元気ですかはがき”としてご希望のお客様のお手元にお届けいたします。記事とあわせて是非ご覧ください。
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- 「グリーン電力」「グリーン電力を活用した用紙」についての情報が得られる
- 脱炭素社会への取り組みのヒントが得られる
「グリーン電力」と呼ばれる電力をご存じでしょうか。自然エネルギーにより発電された電力のことを表し、環境にやさしく、
再生可能でもある持続可能なエネルギーとして注目されています。
背景として、世界では日々膨大な電力を消費しており、石油や石炭といった化石燃料による発電はCO2(二酸化炭素)の発生を伴い、地球温暖化を大きく助長していることがあります。
現在、地球温暖化はかつての見通しを上回るペース、規模で進行しています。これまでは「低炭素社会」としてCO2の「削減」が
目標とされてきたのも、今や「脱炭素社会」としてCO2の排出量を「実質ゼロとする」ことが求められています。
その中で「グリーン電力」の活用が注目されています。
例えば、DX化が進む昨今でも、事業活動において紙の使用は切っても切り離せないものです。
名刺などはその最たる例ですが、太陽光などの自然エネルギーに100%由来する発電で生み出された名刺があります。
今回は、再生可能で環境にやさしいエネルギー由来の「グリーン電力用紙」についてご紹介いたします。
▼FSC®認証の種類については、こちらの記事をご覧ください
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1.グリーン電力とその活用
1-1.グリーン電力とは
グリーン電力とは、風力、太陽光、バイオマス(生物資源)、水力、地熱などの自然を利用した、再生可能エネルギーにより発電された電力のことです。再生可能エネルギーは資源が枯渇せず、文字通り「繰り返し使えるエネルギー」と定義されています。また大きな特徴として、石油や石炭などといった化石燃料による発電と違い、発電時にCO2(二酸化炭素)が発生しないと考えられています。
1-2.誰もがグリーン電力を使える認証システム
風力や太陽光といった自然エネルギーに由来する発電は、電気そのものの価値に加え、省エネルギーやCO2の排出抑制といった「環境付加価値」と呼ばれるメリットを持ちます。この「環境付加価値」は、電力とは切り離した形で購入し活用することが可能です。これを「グリーン電力証書」と呼びます。従来の電気にこの購入した付加価値を組み合わせることで、環境にやさしいグリーン電力を使用していると表示することができるのです。下記の図は株式会社山櫻様による、実際にグリーン電力を使用した製品づくりのイメージです。
画像:㈱山櫻社
実際に自然エネルギーで発電していないのでは意味が無いのでは、と思えるかもしれません。しかし考え方としては、グリーン発電の設備を持たない企業などはお金で「証明」を購入し、発電設備側は、そのお金で新規建設や維持にかかる高いコストをまかなうことができる。まさにWin-Winの関係であり、このようにしてグリーン電力の供給が増えてゆくと考えられます。山櫻様ではグリーン電力証書のシステムを利用し、環境にやさしいエネルギーで名刺を作られています。
2.より深刻化する環境問題と脱炭素社会の実現にむけて
2-1.加速する地球温暖化
2015年に採択されたパリ協定では、地球の平均気温の上昇を、産業革命以前のそれと比べ1.5度以下に抑えることを目標としています。ほんの1年間でも1.5度気温が上昇すれば、環境や気候に与える影響は多大です。
国際的な専門家でつくるIPCC(気象変動に関する政府間パネル)が2021年8月に行った発表によると、2020年までの10年間の世界の平均気温が、すでに1.09度上昇しているとのことでした。加えて、1度の上昇は「50年に1回の高温の頻度が4.8倍」「10年に1回の大雨の頻度が1.3倍」という気候変動をもたらしていると試算しました。
そして気温上昇が1.5度になると、前者は8.6倍、後者は1.5倍になり、また2度ともなれば13.9倍、1.7倍にのぼると予測されています。
もちろん、こうした気候の変動だけでなく、1.5度の上昇は世界中のサンゴの死滅、北極海の氷の縮小といった影響をもたらし、環境にさらなる悪影響を及ぼすと考えられています。
総じて、1.5度というラインが人類にとって現在の生活を維持するための限界値と言えます。
しかし、世界気象機関(WMO)によれば、この先5年間、2026年までに一時的にも1.5度上昇してしまう可能性が50%あるとされています。つまり、パリ協定で定められた長期目標は、向こう10年で早くも頓挫してしまうかもしれない、ということです。
2-2.脱炭素社会
少し前まで世界では、CO2の排出量を削減する「低炭素社会」の実現を目指してきました。しかし、上で述べたような急激な温暖化の進行抑制にあたり、削減することだけでは難しいという判断から、現在はカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現が求められています。カーボンニュートラルは「温室効果ガスの」排出を実質的にゼロにすることです。
地球温暖化の主な原因となる温室効果ガスにはさまざまな種類がありますが、温暖化への影響が最も大きいとされているのがCO2であり、この削減が一番の課題となっています。日本では2050年を目途に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを所信表明しています。植林などによるCO2の吸収を増加させることも大切ですが、エネルギー使用に伴うCO2の発生を削減することもまた重要です。
国や企業の取り組みも進んでおり、炭素への課税などを行う「カーボンプライシング」が検討されていたり、石炭などの化石燃料の代わりに水素を使用して鉄鋼を製造する「ゼロカーボン・スチール」のような革新的な発明への挑戦も行わております。
もはや他人事ではない脱炭素社会の実現に向けて、本格的なアプローチが各所でスタートしているのです。
3.私たちに何ができるか
3-1.身近な所からグリーン電力の活用を取り入れてゆく
たとえば事業活動を行うにあたり、紙の生産・使用は切っても切り離せないものであり、特に名刺に関しては、全てのビジネスマンが必ずと言っていいほど紙の実物を持っていると思います。株式会社山櫻が取り扱う名刺用紙「さくらCoC」は、先に述べたグリーン電力の認証システムを活用した用紙です。100%太陽光による発電に由来する、グリーン電力によって生産されています。
3-2.社会課題の解決が経済価値を創造する
環境に配慮し、持続可能な社会の実現に寄与することは、単なる慈善事業ではありません。CSV(Creating Shared Value)の概念では、社会課題への取り組みが競争戦略となり、社会のニーズや問題を解決することが経済価値を創出すると考えられています。環境にやさしい製品を使うことは、単なる「善い行い」に留まらず、実益に繋がっていくことが期待できるのです。もちろん、ビジネスで渡す名刺やご挨拶はがき、封筒などにグリーン電力を使った証明である「グリーン・エネルギー・マーク」が書かれていれば、企業のブランディングにも好影響をもたらし、また受け取った相手も環境配慮を意識するきっかけになるかもしれません。
まとめ
これまで、サトウキビのしぼりかすから生まれたバガスペーパー、地球に無尽蔵にある資源、石灰石で作られたLIMEX(ライメックス)、廃棄されてしまうお米を使用した「kome-kami」など環境に配慮した「素材」をご紹介させていただきましたが、今回は再生可能で環境にやさしい「エネルギー」を使って製造した「グリーン電力用紙」という製品を使うことでどのように環境問題に貢献できるかご紹介させていただきました。
私たちプリントボーイは、紙のご紹介・活用の仕方をご提案させていただくことを通じて、社会のSDGs推進のお手伝いに取り組んでいます。気軽に取り組むSDGsとして、ツールづくりのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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