サステナブルブランディング推進のススメ!~SDGsで取り組みたい施策と事例をご紹介~

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公開日:2025/05/13
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サステナブルブランディング推進のススメ!~SDGsで取り組みたい施策と事例をご紹介~

近年、環境問題や社会問題が深刻化する中で、企業の在り方も大きく変わりつつあります。特に、若年層を中心とした消費者の意識変化により、「サステナビリティ」を重視する傾向が加速。2023年に、い・ろ・は・すが実施した「サステナビリティ」に関する意識調査(https://news.mynavi.jp/article/20230711-2724691/)」の結果では、若年層であるZ世代の42.0%が「今まで以上に貢献したい」と回答し、ベビーブーム世代より約10ポイント高い結果となっており、企業ブランドの持続可能性がこれまで以上に問われる時代になっています。

また、SDGs(持続可能な開発目標)やESG投資(環境・社会・ガバナンスを考慮した投資)の影響により、企業が「サステナブルブランディング」を戦略的に取り入れることが求められていることから、もはや単なるCSR活動にとどまらず、ブランド価値を高め、市場での競争力を維持するための「新たな必須条件」になっています。

今回の記事では、「サステナブルブランディング」の基本から、具体的な実践ステップや成功企業の事例をご紹介します。


◆目次

    1. サステナブルブランディングとは?
      1. サステナブルブランディングの定義
      2. CSR・ESG経営との違い
        1. ①CSRとは?
        2. ②ESGとは?
        3. サステナブルブランディングとの違い
    2. 「サステナブルブランディング」がもたらす3つの効果
      1. 効果①ブランド価値の向上(競争優位性の獲得)が期待できる
      2. 効果②消費者の共感・ロイヤルティ向上につながる
      3. 効果③企業の長期的な成長・持続性につながる
    3. サステナブルブランディングの成功事例をご紹介
      1. 事例①無印良品(良品計画)
        1. 環境負荷を低減する商品開発
        2. 衣料品のアップサイクル、リサイクル(ReMUJI)の取り組み
        3. プラスチック製品の回収、リユース、リサイクル
      2. 事例②トヨタ自動車
        1. 電動化戦略とカーボンニュートラル
        2. 自社回収ペットボトルを車のシート表皮に活用
      3. ファーストリテイリング(ユニクロ・GU)
        1. サステナブル素材の採用とリサイクル推進
        2. サプライチェーンの透明化と労働環境の改善
    4. サステナブルブランディングの身近な取り組み事例とは?
      1. 取り組み事例①SDGsに配慮したノベルティ制作
      2. 取り組み事例②ブランドムービーの制作(環境配慮の活動をPR)
      3. 取り組み事例③SDGsに配慮した販促物のデザイン・制作
      4. 取り組み事例④採用ブランディング動画の制作
    5. サステナブルブランディングに取り組みませんか?

1.サステナブルブランディングとは?

1.サステナブルブランディングとは?
環境問題や社会的課題への関心が高まる中、企業の姿勢や取り組みがブランドの評価に直結する時代になっています。そうした背景の中で注目を集めているのが、「サステナブルブランディング」です。
サステナブルブランディングとは、単なるイメージ戦略にとどまらず、企業の環境・社会・経済への持続可能な配慮を軸としたブランド構築のことを指します。
企業の理念や活動が社会的価値と結びつくことで、消費者やステークホルダーからの信頼を獲得し、長期的な成長を支えるビジネス戦略の要となる考え方です。

1-1.サステナブルブランディングの定義

サステナブルブランディングとは、企業が環境・社会・経済の3つの側面において持続可能性を意識した経営を行い、その姿勢をブランド価値として社内外に発信・定着させるブランディング手法です。

単なる「エコ」や「社会貢献活動」にとどまらず、企業のビジョンやミッションに持続可能性を組み込むことで、製品・サービス、さらには組織文化全体へとその理念を浸透させていくプロセスが求められています。
こうした取り組みによって、消費者やステークホルダーとの信頼関係を構築し、競合との差別化を図ることが可能になります。

1-2.CSR・ESGとの違い

サステナブルブランディングは、CSR(企業の社会的責任)や、ESG(環境・社会・ガバナンス)といった取り組みと混同されることもありますが異なります。
それぞれの違いについて、ぜひ認識しておきましょう。

①CSRとは?
①CSRとは?
企業が社会的責任を果たす活動(例:寄付、ボランティアなど)にフォーカスしており、企業本来の事業活動とは切り離されることが多いのが特徴です。

②ESGとは?
②ESGとは?
投資家目線で企業の持続可能性を評価する指標であり、財務的な観点からの取り組みが中心になっています。

サステナブルブランディングとの違い
企業の存在価値やブランドアイデンティティそのものに、サステナビリティを組み込むことに重点を置いています。
「企業としてどのような未来を描き、社会にどんな価値を提供するのか」を明確にし、それをブランドの柱に据えるアプローチになっています。
このように、CSRは「社会的責任を果たす活動」、ESGは「投資家視点での持続可能性評価」そして、サステナブルブランディングは「企業の存在意義そのものにサステナビリティを組み込む戦略」と、
それぞれ目的やアプローチの視点が異なりますので、それぞれについて認識しておくようにしましょう。

2.「サステナブルブランディング」がもたらす3つの効果

ここでは、「サスティナブルブランディング」を行うべき3つの効果についてご紹介いたします。

効果①ブランド価値の向上(競争優位性の獲得)が期待できる

サステナブルな取り組みをブランド戦略の一環として実践することで、企業は「信頼できる存在」としての評価を得ることができます。
特に、若年層は社会課題への意識が高い層と言われており、「どんな商品か」だけでなく「どんな企業が提供しているか」が選定基準になっているといわれています。

効果②消費者の共感・ロイヤルティ向上につながる

サステナブルな姿勢を明確に示すことにより、企業は消費者との感情的なつながりを築くことができます。
特に「ストーリーテリング」や透明性の高い情報発信を通じて、企業の想いや行動が伝わると、消費者はブランドに対して、共感や愛着を感じやすくなるといわれています。

長期的なファンやリピーターの獲得につなげることができるので、姿勢や取り組みを発信していくことはおすすめです。

効果③企業の長期的な成長・持続性につながる

短期的な売上や成果ではなく、持続可能な経営を志向することにより、企業の成長も安定的なものになります。たとえば、資源の効率的活用やサプライチェーンの見直しによりコスト削減が進み、同時に社会的信頼を得られるといったメリットもあります。また、サステナビリティに配慮した経営を行うことで、投資家や求職者からの評価も高まり、人材確保や資金調達にもプラスの影響が期待できます。

3.サステナブルブランディングの事例をご紹介

サステナブルブランディングの重要性が高まる中で、具体的にどのような企業が成果を上げているのか、実際の事例から学ぶことは非常に有効です。株式会社博展が主催する「生活者のSDGsに対する企業ブランド調査」『Japan Sustainable Brands Index(JSBI)(https://www.hakuten.co.jp/news/post_9369)』では、生活者の視点から見た企業のサステナビリティ評価をもとに、国内312社を分析しています。

その結果、特に高い評価を得た3社である、無印良品(良品計画)、トヨタ自動車、ファーストリテイリングの取り組みをご紹介いたします。

事例①株式会社良品計画(無印良品)

無印良品(良品計画)は、シンプルで持続可能なライフスタイルの提案をしています。例えば、以下のような取り組みをされています。

環境負荷を低減する商品開発
無印良品は「感じ良い暮らし」を提案するブランドとして、環境に配慮した商品開発を積極的に展開しています。

衣料品のアップサイクル、リサイクル(ReMUJI)の取り組み
ユーザーから回収した商品や、ものづくりと流通の過程で発生する販売できなくなった商品を染め直して再販し、廃棄を削減しています。

プラスチック製品の回収、リユース、リサイクル
その他の取り組みとして循環型事業への転換を目指し、使用済みのPET素材のボトルの回収などを行っています。プラスチックごみを削減し石油由来原料の有効活用につなげています。

●サステナブルブランディングの効果
「人と自然とモノの望ましい関係と心豊かな人間社会」を考えた商品、サービス、店舗、活動を通じて「感じ良い暮らしと社会」の実現に貢献する。という企業理念が、環境・社会貢献の姿勢と一致しており、その結果、無印良品は消費者の共感と信頼を獲得し、ブランディングにおいて高い評価を得ています。

※参考
 廃棄物管理と資源循環|株式会社良品計画

事例②トヨタ自動車株式会社

サステナビリティの取り組みとして、『社会・地球の持続可能な発展への貢献』という基本方針を掲げ、サステナブルな取り組みを行っています。

電動化戦略とカーボンニュートラル
トヨタはモビリティの未来を見据え、カーボンニュートラル達成に向けた戦略を強化しています。たとえば、以下のような取り組みを行っています。

・ハイブリッド車(プリウス)や水素燃料電池車「MIRAI」の開発により、次世代モビリティの普及をけん引しています。
・再生可能エネルギーの活用では、国内外の工場に太陽光発電・水素エネルギーを導入し、CO₂排出の削減に貢献しています。

※参考
 トヨタ、「新型燃料電池システム」を開発トヨタ自動車株式会社

自社回収ペットボトルを車のシート表皮に活用
循環型社会構築に向けた取り組みの一つとして、従業員が毎日捨てるペットボトルを自主回収し、リサイクル糸に加工した後、新型ランドクルーザー"250"のシート表皮に生まれ変わらせ、ています。

※参考
 サステナビリティ|トヨタ自動車株式会社

●サステナブルブランディングの効果
環境にやさしいモビリティ技術の開発と情報発信を通じて、「持続可能な未来社会をリードする企業」としてのブランドイメージを確立し、グローバル市場でも高い信頼を得ています。

事例③株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ・GU)

(1)サステナブル素材の採用とリサイクル推進
「服のサステナビリティ」を掲げるファーストリテイリングは、素材選びから生産・販売まで幅広くサステナブル戦略を展開しています。

・「RE.UNIQLO」プロジェクトでは、不要となった衣料を回収し、新製品や難民支援物資として再活用しています。
たとえば「エアリズム」などの素材には、リサイクルポリエステル素材を採用し、環境負荷の低減に取り組んでいます。

(2)サプライチェーンの透明化と労働環境の改善
「トレーサビリティの確保」では、最上流にあたる、原材料の調達まで生産履歴を追跡できるようにすることで、人権リスクや環境への対策を強める取り組みを行っています。
原材料から販売に至るまでのプロセスを透明化することで、消費者の信頼を獲得しています。


※参考
 ファーストリテイリング、原材料までの供給網を一元管理|日本経済新聞

●サステナブルブランディングの効果
「本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」という企業理念のもと、環境・社会課題への明確な姿勢を打ち出すことで、エシカル消費を意識する消費者層の支持を集めています。日本の代表的なグローバルブランドとして、サステナビリティの取り組みもリーダーシップのもと取り組んでいます。

※参考
 RE.UNIQLO:あなたのユニクロ、次に生かそう。 | 服のチカラを|株式会社ファーストリテイリング

4.サステナブルブランディングの身近な取り組み事例とは?

サステナブルブランディングの推進にあたり、「何から手を付ければいいのか分からない」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。サステナブルという言葉は壮大に聞こえますが、実は身近なところから始めることが可能です。今回は、企業が導入しやすく、かつ社内外のアピールしやすい“始めやすいサステナブルブランディング施策”を4つご紹介いたします。

取り組み事例①SDGsに配慮したノベルティ制作

取り組み事例①SDGsに配慮したノベルティ制作(SDGsカレンダー制作)

5月以降は、展示会の出展や新たに営業活動を行う中で、ノベルティを準備するお客様も多いのではないでしょうか。展示会などで配布するノベルティは、企業のサステナブルな姿勢を伝える絶好の機会です。

たとえば…
・環境配慮素材を使用したカレンダーの制作
・プラスチック削減を意識した木製や紙素材のアイテムなど

環境配慮型のノベルティにすることで、企業としての持続可能性への意識も発信することが可能です。SDGsの観点からも好印象を持たれやすく、企業イメージの向上にもつながるため、ノベルティ制作から始められるのはいかがでしょうか。

※環境に配慮した素材で制作しましたカレンダーの事例は以下の記事をご覧ください。

▼SDGsを意識して制作したカレンダーに関する記事はこちら
 会話が弾む!新年ご挨拶企画「UDフォント」と季のことばがつなぐ こころやさしく伝わるカレンダー

取り組み事例②ブランドムービーの制作(環境配慮の活動をPR)

ブランドムービーの制作は、文章では伝えにくい企業の想いや姿勢を、映像として効果的に届けられる点で制作するのもおすすめです。

・サステナブルな活動の背景や想いをストーリー仕立てで伝えることが可能
・社員の声や社会的な影響も交えて共感を生むコンテンツにすることも可能

特に社内の取り組みや現場のリアルな様子を映すことで、「実際に行動している企業」という信頼性が高まり、社外への信頼獲得と社内のエンゲージメント向上の両面で、サステナブルな取り組みを動画にして発信することもおすすめです。

取り組み事例③SDGsに配慮した販促物のデザイン・制作

取り組み事例③SDGsに配慮した販促物のデザイン・制作(カタログ製作)

印刷物や販促ツールも、素材や手段を変えるだけでサステナブルな発信も一緒に行うことも可能です。

たとえば、
・FSC®認証紙を使用したパンフレット・カタログ製作 など
 (ホープンでも、カタログはFCS認証紙を活用して制作しています。)

※FSC®認証紙について気になる方は以下の記事をご覧ください。

 ▼FSC認証紙に関する記事はこちら
  森林を守り、持続可能な未来の実現に繋がるFSC®認証紙 

・「ゼロCO2ペーパー」などの環境配慮紙を活用したチラシ制作
 ※ゼロCO2ペーパーについてご興味がある方は以下の記事をご覧ください。

 ▼ゼロCO2ペーパーに関する記事はこちら
  ゼロCO2ペーパーの誕生秘話と目指す未来【独占インタビュー】 

取り組み事例④採用ブランディングにもつながる動画制作

サステナブルな価値観に共鳴する新卒などの若年層に向けて、自社の姿勢を可視化するために、「サステナブルな企業文化」を伝える採用ブランディング動画を制作し発信することも一つの選択肢です。

例)
・「サステナブルな企業文化」を伝える採用ブランディング動画
・CSR活動やSDGsの取り組みを訴求するメッセージ性のある動画

環境問題や社会課題への関心が高いと言われる若年層に対して、単なる制度説明だけでなく「共感できる企業」として印象づけることで、志望度向上にもつながる可能性があります。

採用ブランディングに関しては様々な動画のアプローチが可能です。
採用ブランディングに関する動画については、用途別に制作ガイドとしてまとめておりますので、ご興味ございましたら、以下のフォームへの簡単入力にて入手頂けましたら幸いです。

▼採用ブランディングの推進にあたり用途別におすすめ動画を紹介しています
 人事・採用ご担当者様向け「採用動画制作ガイド」

5.サステナブルブランディングに取り組みませんか?

5.サステナブルブランディングに取り組みませんか?
サステナブルブランディングは、単なる企業のCSR活動ではなく、企業の価値向上と持続的な成長を実現するための重要な経営戦略です。消費者の価値観の変化、SDGsやESG投資の影響を考えると、これからのブランド戦略において「環境や社会への配慮」は不可欠な要素となっています。今回ご紹介した事例からもわかるように、サステナブルな取り組みはブランドの信頼性を高め、消費者の共感を得る大きな要因となっています。
環境負荷を軽減しながらも、企業の利益と成長を両立することが可能ですし、その取り組みは動画などに残して発信することで、ブランディング推進にも効果が期待できます。

しかし、ブランディングの推進には継続的な発信が重要ですが、自社だけで行おうとすると難しいケースがあると思います。コンテンツ制作には、協力パートナーを頼ることも大切です。
ホープンでは、サステナブルブランディングの推進にあたり、ブランドムービーの制作や環境に配慮したSDGsに関するノベルティ制作、また環境に配慮した印刷物のデザインから印刷まで幅広くご提案が可能です。

サステナブルブランディングの推進に関するコンテンツ制作についてお困りでしたら、ホープンへお気軽にご相談ください。

ホープンのコンテンツ制作に関するお問い合わせはこちら

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