創業50年の印刷会社が提案する「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック!」シリーズVol.5
この記事はホープン(旧社名:プリントボーイ)が創業より続けているアナログコミュニケーション、
“お元気ですかはがき”のテーマと連動した記事となります。
「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック!」シリーズでは、花や植物を題材に、プロカメラマンによる撮影テクニックをご紹介いたします。まさに花の魅力まで咲かせる、タメになるテクニックをお届けしてまいりますので、ぜひご期待ください。
また、記事で紹介しました「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック」を “お元気ですかはがき”としてご希望のお客様のお手元にお届けいたします。記事とあわせてぜひご覧ください。
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花や植物は静物のため、フレーミングしやすいものの、漫然と撮ると記録写真になりがちです。
しかし、ちょっとした工夫で一気に味のある作品にレベルアップするものでもあるため、初心者から上級者まで写真上達にもってこいの被写体といえるでしょう。
この記事では、桜を例に挙げながら、面白い撮影トリックについてご紹介します。
- DMや広告のデザインアイデアを探している方
- 写真撮影に興味がある方
- デザインで課題を解決したい方
- 環境に配慮したデザインに興味がある方
- ユニバーサルデザインに興味がある方
- 花の新しい楽しみ方がわかる
- 伝わるデザインについてのヒントを得られる
- 日本の四季や伝統についての知識が深まる
- デザインや撮影のヒントが見つかる
- 構図についての情報を得られる
▼「気軽に取り組むSDGs!」バックナンバーをまとめたこちらの記事もお楽しみください!
桜は日本の国花として親しまれており、古来より日本の文化に深く根付いています。「お花見」は日本行事の一つであり、「HANAMI(ハナミ)」という単語が英語圏で通じるほど、日本の伝統行事として人気があります。そのため、春になると日本人のみならず外国人も公園や神社などで桜を楽しむ姿が。
また、桜には多くの品種がありますが、日本では代表的なものに「ソメイヨシノ」「ヤエザクラ」「シダレザクラ」などが挙げられます。見た目も大きく変わるので、全国の桜の名所を観桜まわりすることも楽しいでしょう。
この記事では、春の到来を感じさせる桜を例に挙げながら、魅力的に撮影するためのギミックについてご紹介します。ぜひご覧ください。
1.桜とは
「桜」は、日本原産のバラ科の落葉高木です。春の訪れを告げる花として、花見の風習が根付くほど多くの方に愛され、親しまれています。
桜の名前の由来は「櫻(さくら)」から。この漢字が2つ並んだ「貝」の字は子安貝の首飾りをあらわしており、実(さくらんぼ)がなった桜の木を「首飾りをつけた女性」に見立てたといわれています。
また、桜は鑑賞用の他にも、桜餅などの食用にも使われているので、私たちの生活の中にも深く根ざしています。
今では、もっぱら「お花見=桜」というイメージですが、かつてはお花見の主役は梅の花でした。奈良時代の頃、遣唐使によって中国から持ち込まれた梅を、貴族が好んで鑑賞するようになったのが「お花見文化」の始まりとされています。唐が廃れ遣唐使が廃止された後は、もともと日本に自生していた桜の人気が広まり、平安時代以降には「春の花」のイメージが梅から桜へと変化していきました。
現代のように桜の樹の下で宴会を楽しむようになった大きなきっかけは、安土桃山時代の「醍醐の花見」だと伝わっています。醍醐の花見とは、1598年の春に豊臣秀吉が京都の醍醐寺において催した宴のことで、花見をしたくてたまらなかった秀吉の号令で、およそ700本の桜を醍醐寺にかき集めて移植して盛大な宴を開きました。その後、江戸時代になると庶民の間でもお花見文化が広まっていき、日本で最も有名な桜である「ソメイヨシノ」もこの頃に誕生しました。
また、桜の花言葉は、「儚さ」「別れ」「新たな出発」などがあるので、卒業や入学の季節を表すお花としても知られています。桜は春の訪れとともに一斉に咲きますが、数日から数週間で花が散ってしまうため、その「儚さ」も魅力の1つですね。
2.花と鳥の組み合わせは古くから?芸術方面での桜
さて、桜や梅などを見ていると、どこからともなく鳥がやってきた光景をみたことがある方も多いのではないでしょうか。鳥は花の甘い蜜が目当てで、人間と同じく春を待ち遠しく思っています。特にサクラの代表的な品種であるソメイヨシノは約11万8千もの花が一つの木に咲くといわれていて、まさしく春のごちそうです。
そのように鳥が花木にとまることは古来より「美しいもの」とされていました。そのため芸術方面にも影響を及ぼし、生まれたジャンルが「花鳥画(かちょうが)」です。花鳥画とは、花や鳥、昆虫などを題材にした東洋絵画の1種です。掛軸、屏風、襖絵、浮世絵など、様々な作品に取り入れられています。「富嶽三十六景」で有名な葛飾北斎も、多くの花鳥画を残しています。
花鳥画は、平安時代にはすでに制作されていた記録があります。南北朝時代になると禅僧によって水墨画の花鳥画が描かれるようになります。そこから進化し、鮮やかな色を施した花鳥画は室町時代に誕生したといわれています。この時期に、日本における花鳥画は隆盛期を迎えました。
そして、桃山時代には日本独自の様式が成立し、江戸時代中期ごろには多くの作家が作品を生み出します。
日本の花鳥画の代表例は、伊藤若冲の「海棠目白図」や、幸野楳嶺の「楳嶺花鳥画譜」などです。このような形で、「花」と「鳥」は、長い歴史の中でもその美しい組み合わせが愛されてきました。
春は鳥が活発に動き回る季節。お花見のなか鳥がやってきたら、素敵な画が見られるかもしれませんよ。
3.桜に鳥が止まった瞬間の撮影に成功したポイントとは?
今回の撮影は、春めいた気持ちの良い晴れ間に撮影を行いました。
今回のテーマを「春のお便り」としていたため、撮影の企画段階では「桜の枝に鳥がとまっていたら写真映えするね」という話も出ていました。主役はあくまで桜の撮影ですが、運よく桜の枝に鳥が現れたら、それを逃すわけにはいきません!
今回は、思いがけずに桜の枝に止まる鳥(メジロ)の撮影に成功しましたので、今回の写真撮影にあたり、どのような技法が使われたのかポイントを2つご紹介いたします。
3-1.シャッタースピードは「1/1000秒」に調整
参照:シャッタースピードとは?目安と使い方をわかりやすく解説│テイラボ
1つ目は、「シャッタースピード」の調整です。カメラの明るさを決める要素にはシャッタースピードがあり、1/30秒、1/60秒というように、段階的に切り取る時間を設定することができます。このシャッタースピードを速くすればするほど、写真上では瞬間をとらえることになります。
一眼レフカメラでは、1/4000秒、1/8000秒と凄まじいスピードでシャッターを切ることができますが、スピードを早くしすぎてしまうとカメラに取り込める光が減ってしまい、写真が暗くなってしまいます。
そのため今回は、写真の明るさを維持しつつ、素早く飛び回るメジロを捉えるためのバランスとして、シャッタースピードを1/1000秒ほどに抑えて撮影を行いました。
3-2.オートフォーカスをシングルモード(AF-S)で設定
参照:初心者でもすぐ分かる「AF(オートフォーカス)」の基本。被写体に合わせた設定方法やAF性能に特化したおすすめカメラをご紹介
2つ目は、「オートフォーカス」の設定です。シャッタースピードで瞬間をとらえることができても、しっかりと桜にも鳥にもピントを合わせられなければ、写真としては残念な仕上がりになります。
絞りの数値を深くしていけば、常に手前から奥まで全体にピントが合った状態で撮影をすることもできますが、今回は桜を見上げた時の奥行を表現するためにあえて浅い絞りに設定していました。そこで重要になるのがオートフォーカス(以下AF)の使い方です。
カメラにピント合わせを任せるだけの機能ではなく、AFの設定にも実はコツがあるのでご紹介いたします。
〇オートフォーカスの種類
AFには種類があり今回は、シングルモード(AF-S)とコンティニュアスモード(AF-C)をご紹介します。
シングルモードは、シャッターボタンを半押しする間、ピント位置が固定されるモードで撮影し一度でピントを固定するため、一般的に動きの無いものを撮影するときに向いているとされています。それに対してコンティニュアスモードは、フォーカスポイントと呼ばれるピントを合わせてくれる範囲内に被写体がある場合、被写体が動いても自動でピントを追従してくれます。
こちらのモードは動きのある動物や、スポーツ撮影などに向いているとされています。
今回は動物(鳥)を桜と一緒に撮りたかったため、コンティニュアスモードに設定したかと思われるかもしれませんが、シングルモードで撮影しました。カメラのAF性能にもよりますが、AFではピントの位置を判断するのはカメラのため、必ずしもカメラマンが合わせてほしい位置に常にピントを合わせてくれるわけではありません。今回のように、奥行きがあり、複雑な枝ぶりの桜の中で動く鳥などは、AFのスペックによってはカメラが意図しないポイントにフォーカスされてしまうことがあります。
そのため、今回はシングルモード(AF-S)に設定し、枝上を飛び回る鳥の動きをファインダー(※カメラの覗き窓のこと)で追いながら、シャッターボタンを小刻みに半押しし撮影しました。
その結果、フォーカスを合わせる作業のみをカメラに任せることで、フォーカスのポイントを確実にカメラマンが狙った位置に調整しました。
今回の撮影を振り返り、特にお伝えしたいことは「シャッターチャンスを逃さないでほしい」ということです。
撮影のチャンスを逃さなかったことで、鳥(メジロ)との共演を切り取り、お手元におはがきとしてお届けすることができましたので、ぜひ撮影の際には、タイミングを逃さずに撮影してもらえたらと思います。
4.まとめ
今回は桜をテーマにご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。日本古来より美しいとされてきた鳥とのコラボレーション。ぜひお花見で、シャッターチャンスを狙ってみてはいかがでしょうか。動物との写真を撮影されたい際には、「シャッタースピードの調整」と「オートフォーカス機能」を活用してみてくださいね。
HOPEN(旧社名:PRINTBOY)では、動画コンテンツの制作や、撮影スタジオの貸し出し、プロカメラマンによる撮影のサポートなどコミュニケーションに関するコンテンツ制作でお客様の様々な課題に対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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