創業54年の企画制作会社が提案する「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック!」シリーズVol.3
この記事はホープン(旧社名:プリントボーイ)が創業より続けているアナログコミュニケーション、“お元気ですかはがき”のテーマと連動した記事となります。
「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック!」シリーズでは、花や植物を題材に、プロカメラマンによる撮影テクニックをご紹介いたします。まさに花の魅力まで咲かせる、タメになるテクニックをお届けしてまいりますので、ぜひご期待ください。
また、記事で紹介しました「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック」を “お元気ですかはがき”としてご希望のお客様のお手元にお届けいたします。記事とあわせてぜひご覧ください。
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花や植物は静物のため、フレーミングしやすいものの、漫然と撮ると記録写真になりがちです。
しかし、ちょっとした工夫で一気に味のある作品にレベルアップするものでもあるため、初心者から上級者まで写真上達にもってこいの被写体といえるでしょう。
この記事では、シクラメンを例に挙げながら、面白い撮影トリックについてご紹介します。
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シクラメンが日本に入ってきた時期は明治時代。 和名は『篝火花(かがりびばな)』といい、その花弁の形が小さな松明の炎に似ているところからそう呼ばれています。
寒い冬を優しく彩るシクラメンの一番の魅力は鮮やかな花色と形の種類の多さ。花色は赤・白・ピンクが主流ですが、近年では品種改良が進んだことで黄色・紫・グラデーションなどの珍しい色を持つものも増えてきました。しかし、シクラメンの花は小ぶりで、工夫して撮影しないと主役として映えないことも。
この記事では、シクラメンを例に挙げながら、魅力的に撮影するためのギミックについてご紹介します。
1.シクラメンとは
今回テーマとして挙げた「シクラメン」は、サクラソウ科シクラメン属の多年草です。「Cyclamen」は、円を意味する古代ギリシア語が由来です。円盤状の球根の形、もしくは、花茎が受粉後に螺旋状に曲がることから円を意味する言葉がもとになりました。
冬に鮮やかな花を咲かせるシクラメンは、多くの別称をもっています。
古来は「アルプスのスミレ」「ソロモン王の王冠」とも称され、球根を食す文化もありました。しかし、日本に渡日してからは、球根が豚の好物であったことから呼ばれていたヨーロッパでの別称「豚のパン」をもじって「豚のまんじゅう」とも呼ばれていました。この和名と綺麗な花とのずれが大きく、新しい和名を考えた植物学者が、NHK連続テレビ小説でも生涯が取り上げられた植物学者・牧野富太郎 氏です。彼は、ある貴婦人が「これはかがり火の様な花ですね」とつぶやいたことから、「篝火花(かがりびばな)」と名付けました。
現在は冬を楽しませてくれる花の一種として、「冬の貴婦人」「冬の鉢花の女王」「冬化粧」などとも 呼ばれて愛されています。
2.小さな被写体を撮るためには
撮影に使用したガーデニングシクラメンは花びらが小さく、指の先ほどの大きさしかありません。このような小さく、細かな被写体を大きく見えるように撮影するには、大きく2種類のアプローチがあります。
一つ目は 、解像度の高い大きなサイズの写真を撮って、それを拡大・トリミングするという方法です。写真機の画素数が高ければ、写真の中の使いたい部分をクローズアップしても、鑑賞に堪えられる解像度で写真を生み出すことができます。
しかしこの方法では、拡大をすることが前提のため、撮った瞬間には写真の良し悪しや仕上がりを判断しにくく、撮影後の編集が前提になってしまうので写真を生み出すまでにかなり時間がかかってしまいます。
また、レンズにはそれぞれ「撮影最短距離」という、どれくらい被写体にピントを合わせて近づけるかという「距離」があります。これにより被写体までの距離に制限が生まれるため、一定の距離を空けて撮影をしなければなりません。
カメラの解像度によっては、撮影時に思い描いていた拡大やトリミングに耐えられない可能性もあります。拡大やトリミングに耐える高画素での撮影が叶っても、レンズが実際に被写体に近づくことが出来ていない以上、迫力や奥行などを表現することが難しくなります。
3.マクロ撮影とは?
そこで、今回活用したテクニックが、二つ目の方法「マクロ撮影」です。マクロ撮影とはマクロレンズという特殊なレンズを用いて行う撮影で、小さな被写体でも大きく撮影することが可能な手法です。一般的なレンズとは異なり被写体までの撮影最短距離も短く、文字通り「接写」することができます。皆さんも見たことがある小さな昆虫の写真などは、このマクロレンズを使用して撮影されています。
【撮影ポイント】
今回のマクロ撮影にもいくつかポイントがあります。小さな被写体でも大きく撮影できるとても優秀なマクロレンズ。それゆえに普段は気にならないサイズのホコリや髪の毛のような小さなものも、マクロ撮影ではとても大きな障害物として写真に写り込んでくることも。そのため、撮影時にはより細部に注意して、被写体のゴミや周囲のホコリなどを取り除くことが大切です。
また、面白みのあるダイナミックな表現が可能になるがゆえに、撮影のアングルや構図の発想などはマクロレンズを通して探ることも大切です。デジタルカメラでの撮影はHDMI等で外部モニターに映像を出力できるため、大きなモニターにマクロレンズを通して見える世界を映しながら撮影を行いました。それにより、今回のように花びらだけに注目するのではなく、小さなつぼみの部分やまっすぐに伸びる茎の部分にも着目し、構図を決めることが出来ました。
ライティングについても、秋~冬にかけた、太陽が遠くから降り注いでいるような距離感の光を意識して作り、トップからの優しい光で表現しています。冬本番に向けて、寒さの中でも咲き誇る優雅な写真に仕上がりました。
4.まとめ
マクロ撮影のメリットは主に下記3点です。
- 被写体に寄って撮影できる
- 解像度が高く質感の表現が得意
- 単焦点レンズとしても使える
また、「被写体を大きく撮影できるだけ」と思われがちなマクロレンズですが、「背景をぼかす」「高解像度」といった、大きな付加価値も付いており、あらゆるジャンルで良い写真を撮ることが可能です。コンテンツの幅を広げるご参考になれば幸いです。
ホープン(旧社名:プリントボーイ)では、撮影自体はもちろん撮影した写真を魅力的に見せるパンフレットやDM、WEBサイトなどのコンテンツづくり、視聴効果の高い動画づくりも行っております。
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