
創業54年の企画制作会社が提案する「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック!」シリーズVol.4
この記事はホープン(旧社名:プリントボーイ)が創業より続けているアナログコミュニケーション、“お元気ですかはがき”のテーマと連動した記事となります。
「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック!」シリーズでは、花や植物を題材に、プロカメラマンによる撮影テクニックをご紹介いたします。まさに花の魅力まで咲かせる、タメになるテクニックをお届けしてまいりますので、ぜひご期待ください。
また、記事で紹介しました「魅力を咲かせるプロの撮影テクニック」を “お元気ですかはがき”としてご希望のお客様のお手元にお届けいたします。記事とあわせてぜひご覧ください。
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花や植物は静物のため、フレーミングしやすいものの、漫然と撮ると記録写真になりがちです。
しかし、ちょっとした工夫で一気に味のある作品にレベルアップするものでもあるため、初心者から上級者まで写真上達にもってこいの被写体といえるでしょう。
この記事では、椿を例に挙げながら、面白い撮影トリックについてご紹介します。
- DMや広告のデザインアイデアを探している方
- 写真撮影に興味がある方
- デザインで課題を解決したい方
- 環境に配慮したデザインに興味がある方
- ユニバーサルデザインに興味がある方
- 花の新しい楽しみ方がわかる
- 伝わるデザインについてのヒントを得られる
- 日本の四季や伝統についての知識が深まる
- デザインや撮影のヒントが見つかる
- 構図についての情報を得られる
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寒い時期に艶やかな花を咲かせ、日本人を虜にしてやまない美しい花、椿。椿の名前の由来は「艶葉木(つやはき)」から。寒い冬に咲くその姿は「忍耐」や「生命力」を象徴し、やがて訪れる春を心待ちにさせます。鑑賞用のほかに、薬や油、染色に使われるなど様々な場面で私たちを支えてくれています。しかし、椿は秋のうちからぽつぽつ咲き始め、翌年の5月頃まで咲き残る花期の長い花ではありますが、他の花と比べると季節が落ち着いたときに咲かせるため、撮影しても見栄えが良くないことも。
この記事では、色鮮やかな椿を例に挙げながら、魅力的に撮影するためのギミックについてご紹介します。椿以外にも、背景と主役の印象にズレを感じる場合にもご活用いただけるのでぜひご覧ください。
1.椿とは
今回テーマとして挙げた「椿」は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹です。庭木や垣根に植えることが多く、日本生まれの木といわれています。日本人になじみの深い椿は、古くから春の季語とされてきました。
鑑賞の目的以外でも、椿は多くの分野で役立てられてきました。開花直前の乾燥花は腸出血に聞くとされ、熱湯を注いで滋養・強壮、便秘改善に効果が見込まれます。また、種子から得られる椿油は、頭髪用や外用薬軟膏の基材、食用に使用されています。椿油の整髪料など、一度は見たことにある方も多いのではないでしょうか。含まれるオレイン酸には保湿力があることから、美容効果が高く、さまざまな化粧品にも使用されています。
また、椿は古くは染色にも使われた歴史があり、草木染めでよく使われていた「紫草」の媒染剤(定着材)として、椿を燃やした灰は欠かせなかった、といわれています。
そんな椿は、寒さが厳しい冬の中でも凛として咲き誇るその様子、また丈夫なこと、滋養に効果があることから、「忍耐や生命力の象徴」とされてきました。
2.環境によって写真から得られる印象は変わる
今回の撮影は、以前のコスモスぶりとなるロケ撮影です。
秋晴れのコスモスのロケ時とは違い、冬の寒さや雰囲気が伝わるように工夫をして撮影をしました。
今回撮影に選んだのは、曇り空が広がる真冬の朝です。
夏と冬では太陽の位置が違い、冬の方が夏よりも太陽が遠くにあります。
冬の模様を影の長さや濃さなどで表現することも可能ですが、冬の太陽の位置の表現は、写真上では季節の違いというよりも、朝日や夕日といった時間の違いに見えてしまうことがあります。
それでは冬らしさはどのように表現すればよいのでしょうか?
冬という季節は色合いが少しくすんでいるような印象があります。これは雪雲の曇り空、太陽が遠い季節だからこそ出てくる色合いです。
人間の目は、モノを見るとき、モノに反射した光を見て認識していますが、カメラも同じ原理で色を捉えています。
晴れ渡る空の下では鮮やかに、曇り空の下では彩度が下がってみえるように、カメラでもそれぞれの環境下で反射した光を捉えて画像に変換しています。
あえて曇り空である日を選んでロケをすることにより、写真での見た目を冬らしくしているのです。
3.色合いをカメラで設定する
引用:キャノンピクチャースタイル Picture Style 追加ダウンロード
しかし冬の曇り空の下で写真を撮ると、どうしても全体的に彩度が下がってしまい、冬らしさは表現できても、椿の鮮やかさや可憐さは表現しきれません。
そこで、カメラでの色合いの設定が重要になります。デジタルカメラ本体には、撮影時の色合いを調整する機能がついています。
現像というステップで出していた色合いやコントラストなどの調整を、カメラ本体で処理してくれているのです。
今回使用しているキャノン製のカメラには、「ピクチャースタイル」 という機能があります。これはメーカーによって機能の呼び方が違いますが、写真の写りを決める機能です。
シャープネスやコントラストなど様々な設定のなかに、色の濃さという項目があります。
今回はあえて選んだ曇り空の下で、この色の濃さという設定の数値を少し上げて撮影をしています。
それにより、写真全体のなかの寒々しい雰囲気を残しつつ、主役である椿の色合いを損ねることなく表現することができました。
4.椿らしく写すためのフレーミング
冬の椿の色合いが固まったところで、もう一つ大切なのがフレーミングです。
椿を撮る際に、花弁だけではなく、中心にあるおしべが見えること、深い緑が特徴的な葉とセットで写すことでより椿らしく写し出すことができます。
花のように小さなものを撮影する際には、基本的にマクロレンズを使用します。ただ、ズーム機構がないマクロレンズでフレーミングを行うためには、その構造上、自身が被写体に対し近づいたり離れたり、時にはカメラを構える高さまでも調整する必要があります。
今回の椿の場合は鉢植えや花壇に咲いているものではなく、高さのある木の枝上に咲く花であるため、撮影時には脚立や踏み台などを使用しました。ロケ撮影ではカメラやレンズ以外にも、このような撮影をサポートするための小道具を準備しておくことで、より撮影時の選択肢を増やすことにもつながるのです。
今回ご紹介したポイントは、「カメラの色合いで主役に魅力をプラス」でした。外でなおかつ曇り空だと、花以外を撮影してもぼやけた印象の写真になりがちです。コントラストを上げたり、色合いを調整したりすることで、「どの部分が主役か」はっきりした写真を撮影できます。外でのポートレートの撮影や商品撮影などでも流用できる手法のため、ぜひご活用ください!コンテンツの幅を広げるご参考になれば幸いです。
5.まとめ

今回の撮影は、コスモス以来の外での撮影でしたが、天候に左右されることもしばしば。しかしながら、天候も魅力の一部になり、コンテンツの幅も広がります。今回ご紹介したテクニックが、少しでも皆さまのご参考になれば幸いです。
ホープン(旧社名:プリントボーイ)では、撮影はもちろん、以前のお元気ですかシリーズ「気軽に取り組むSDGs!」などもご紹介しております。お客様の様々な課題に対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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