オンラインイベントは、決められた場所に集合して対面で行うオフラインイベントにはないメリットがあり、適切な運営をすればコストや運用面での負担軽減といった効果を期待できます。販促や製品発表のほか、社内行事、総会、会社説明会などあらゆるイベントのオンライン化が可能です。今回はオンラインイベントを成功に導くためのヒントとなる、成功事例を紹介します。
1.オンラインイベント開催のメリット
コロナ禍においては、オフラインイベントの代替策としてオンラインでの開催に踏み切る傾向が多く見られました。しかし実際に開催してみて、オンラインイベントならではの利点を実感したケースもあるようです。オンラインイベント開催で、一般的に考えられるメリットとしては以下のようなものがあげられます。
1-1.イベント開催のコストカットができる
会場費、受付や案内など運営にかかる人件費を始め、オフラインイベントで発生するさまざまなコストが軽減できます。
1-2.参加者の増加が期待できる
オンラインイベントではオフラインイベントとは違い、物理的な移動を伴わないため参加者の居場所を問いません。インターネット環境があれば視聴ができるので、より広範囲へのアプローチが可能となります。
参加者側にとっては時間の調整がつきやすく、気軽に参加できます。「わざわざ出かけるほどではないが以前から興味はあった」といった、潜在層の掘り起こしも可能です。
1-3.参加人数に柔軟性がある
オンラインイベントの場合、会場との兼ね合いで参加人数に制限がありますが、オフラインイベントでは柔軟に対応が可能です。参加者が会場に入れずにあふれ出すことも、空席が目立ち白けるということもありません。
1-4.双方向のやり取りがリアルタイムでできる
オンラインという特性を活かし、一方的な発信ではなく双方向でのやり取りをリアルタイムに実施できます。音声やチャット、画面での意思表示など手法もさまざまです。反応からアンケート効果も期待でき、より生の声を集めることができます。
1-5.開催直前でもある程度の内容変更に対応できる
オフラインイベントでは会場に多くのスタッフを配置し、機材を設置する必要があるために大幅な内容変更ができません。オンラインイベントの場合には、開催直前で進行の順番やコンテンツの差し替えなど、ある程度柔軟な対応が可能です。
2.オンラインイベント事例
オンラインイベントの開催事例を、形式別に紹介します。
2-1.販促ウェビナー
顧客管理系ソリューションを中心としたクラウドコンピューティング・サービス提供企業のケース
この会社では、激変する市場に対応するための、小売業に特化したデジタル変革の実践方法について紹介する「小売DX実践講座」をオンラインセミナーとして提供しています。対顧客、対従業員、DXを推進するための業務基盤といった内容で、7回にわたり配信。録画版でオンデマンド配信も行い、参加の都合が合わない顧客に対しても配慮しています。
エンジニアリング関連ソリューション提供企業のケース
自社が手がける技術に基づき、顧客が抱える課題のソリューションに関する内容を、オンデマンド配信とライブ配信を組み合わせたオンラインイベントで提供。エンジニアリングシミュレーション、デジタルエンジニアリングといったさまざまな最新技術情報を収集できる、オンラインカンファレンスを開催しました。
2-2.製品発表会
農業機械および資材販売を行う老舗企業のケース
サイトを訪れると、リアルな展示会場のように中を歩き回れるしくみをオンラインで提供しています。周囲を見回すことができ、他の来場者の姿も確認できるので臨場感が高まります。開催終了後も閲覧が可能で、商品紹介動画やオンライン商談ができるようになっています。
国内合成紙メーカーのケース
毎年開催していた顧客との交流会を2020年は「Web発表会」としてオンラインで実施。例年の倍以上の参加者を集めることに成功し、新製品のテスト希望数増加につなげられました。
2-3.採用説明会
外資系ヘアケア・トイレタリー用品メーカーのケース
PowerPointのスライド+実際に話している動画を同時に流すセミナースタイルで、部署の業務内容についての案内や若手社員の仕事紹介、社員へのインタビューなどを提供。入社を志望している学生にとっては、非常に内容の濃いコンテンツとなっており、説明会に参加できない学生のための自社紹介ツールとして活用しています。
メディア・インターネット・ゲーム事業企業のケース
担当者による会社説明と、その内容に沿ったビジュアルクリエイティブを展開。会社概要の紹介、職種の募集のほか、福利厚生など企業カルチャーの紹介を行っています。9分30秒ほどの尺の中でまとめられ、気軽に見られる工夫がされています。同社では説明会を行わない代わりに、動画で自社を紹介するスタイルを採用しています。
3.オンラインイベントで起こりがちな失敗
オンラインイベントでは、オフラインイベントにはない失敗要因もあります。
3-1.撮影・音響環境による失敗
撮影環境を十分に配慮しておかないと、余計なものが背景へ映り込んだり騒音が入ったりする恐れがあります。マイクの音の拾い方にも気を配り、セミナー開催中にチャットツールやメールツールなどから通知が入らないように使用するパソコンの設定を変更しておきます。
特に社内用ファイルやポップアップなど、予期しない表示の出る可能性がある場合は、専用のパソコンを準備することも必要です。
3-2.運営に関する失敗
運営の際に段取りがもたつき、配信が円滑にできないと、参加者の離脱原因となります。
MCだけではなく、資料共有ができない、BGMが流れない、ビデオが停止するなどのトラブルが起こらないようリハーサル、シミュレーションを重ね、しっかりと準備しておくことが重要です。
本番通りに行ううちに、そもそも内容がターゲットとずれているといった根本の課題に気付く可能性もあります。参加者に違和感や不信感を持たせないよう、事前に対策をしていきます。
3-3.機材に関するトラブル
通信が不安定、カメラ、マイクのスペック不足は、オンラインイベントにとって命とりとなりかねません。想定されるアクセス数、撮影場所の状況などを検討し、通信環境や機器類を選定していきます。
4.オンラインイベントを成功させるには
オンラインイベントを成功させるために押さえるべきポイントには、以下のようなものがあります。
4-1.イベント開催の目的を明確化する
何のための開催か、また何をもって成功とするのかを明確にすることによって、しっかりとした方向性が定まります。他社が行っているから自社も、というのでは開催そのものが目的となり、事業への貢献が得られません。
4-2.集客・発信方法を吟味する
オンラインイベントの特性を活かし広く集客していくためには、ターゲット層に合わせた目に触れやすい手法を選択していくことが大切です。広告を出稿する際にも媒体選びを吟味し、SNSやニュースサイトなど、どの媒体であれば興味を引きやすいのかを検討します。
4-3.自社に合ったツールや手法の研究と選択
オンラインイベントの開催には、配信用のツールが必要です。今は有料・無料と多くの種類があり、機能もさまざまです。自社の開催したいイベントで必要となる機能を洗い出し、最適なツールを選ぶための研究姿勢が求められます。
4-4.トラブル回避と発生時の対応
イベント開催には何かとトラブルがつきものです。運用の流れと機材、設備、通信の確認を厳密に行うのはもちろんですが、トラブルを想定し各状況に合わせた対応を可能な限り詰めておくことが大切です。
4-5.参加者データの収集・管理
オンラインイベントでは参加者のデータ収集が比較的容易にできます。今後に活かすためにも、しっかりと管理を行い、分析の材料としていきます。イベント中の録画や記録を残すことも、忘れないようにします。
上記のようなポイントを踏まえた運用ができれば、オンラインイベントの企業活動への効果的活用の可能性が高められます。オンラインイベントはコストや会場設営などの面では、オフラインイベントよりも開催が容易ですが、運用ノウハウに乏しいとうまくいきません。
自社独自での運用に不安が残る場合には、経験豊富なパートナーとして、実績のある専門事業者にアドバイスを仰ぐのがもう一つのカギであるといえるでしょう。
5.オンラインイベント成功のポイントは運営への十分な理解
オンラインイベントはオフラインイベントよりも比較的容易に開催でき、柔軟性に富むという点が魅力です。一方で十分な理解と準備なしでは、その効果が半減してしまいかねません。ターゲットの選定とそれに合わせた企画の熟考はもちろん、実際に運営におけるさまざまな要因を確認しておく必要があります。自社だけでオンラインイベント成功が難しいと思われる場合には、外部のノウハウを活用するのがもっとも合理的な方法といえるでしょう。
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著者プロフィール
- ICHIGO ICHIE DIGITAL ショップスタッフ
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