ウェビナーを成功させるためのポイントはいくつか考えられますが、そのなかでも重要な要素の一つがカメラのクオリティです。どれだけ良い内容の話をしていても、途中で画像が乱れたり、ぼやけていて資料の文字が見づらかったりすると離脱されてしまう可能性もあります。そこで、今回はウェビナーを成功させるうえでも欠かせないカメラについて、その重要性やよく使われるカメラの種類、ウェビナーに必要なスペックなどについてお伝えします。
1.ウェビナー配信に使えるカメラの種類
ウェビナーの配信に使えるカメラとしては、パソコンに内蔵されているカメラと外付けのWebカメラ、そしてパソコンに接続可能なデジタルカメラやビデオカメラなどが挙げられるでしょう。Webカメラは、パソコンのベゼル部分にひっかけたり、三脚に取り付けたりできるタイプ。そして、据え置き型や遠隔で首振り制御も行えるPTZ(※)機能が付いたタイプなどがあります。
(※)Panoramic(水平方向への首振り)、Tilt(垂直方向への首振り)、Zoom(望遠「Zoom Up」と広角「Zoom Out」)
また、ウェビナーは基本的にはカメラ1台でも十分に配信可能です。ただ、登壇者を映すのとは別に、手元の資料やホワイトボードを映す際は書画カメラを使うと、より参加者にわかりやすく伝わります。ほか、登壇者が複数いる場合やスライドと一緒に登壇者を小さく表示させる場合などもカメラを2台使います。スイッチャーを使ってWebカメラとビデオカメラなどカメラ2台をうまく切り替えながら使うケースも少なくありません。
2.ウェビナー配信における各カメラのメリット・デメリット
ウェビナー配信を行う際、さまざまなカメラが活用可能ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。ここでは、「パソコン内蔵カメラ」「外付けWebカメラ」「デジタルカメラ・ビデオカメラ」の具体的なメリット、デメリットを見ていきましょう。
・パソコン内蔵カメラのメリット
別途カメラを用意する必要がないため、ウェビナー開催のコスト削減が可能です。外付けカメラのようにパソコンとカメラをつなぐ配線を行う必要がないため、トラブルで配信が止まるリスクを抑えられます。
・パソコン内蔵カメラのデメリット
基本的に固定画像となってしまうため、参加者が飽きてしまいやすくなります。また、画質が低いものが多くズームもできないため、資料の文字が見づらくなり離脱の要因となってしまうでしょう。
・外付けWebカメラのメリット
デジタルカメラやビデオカメラに比べると安価に入手可能でパソコン内蔵カメラに比べ高画質になります。マイク内臓のものもあり、配信に必要な機材を減らせるでしょう。リモコン付きのPTZ機能があるものであれば、登壇者一人でも操作しながら配信が可能です。
・外付けWebカメラのデメリット
コスト削減を意識し過ぎて安いものを購入した場合、スペックが低く高いクオリティでの配信が困難です。また、安いものはマイク内臓でない場合が多く、別途マイクを用意するとかえってコストがかかってしまう場合もあります。基本的に価格によって性能差が大きいため、価格だけで選定すると失敗してしまう可能性が高くなるでしょう。
・デジタルカメラ・ビデオカメラのメリット
パソコン内蔵カメラや外付けWebカメラに比べ高画質・高機能なものが多くなります。三脚で固定もできますが、人が移動しながら撮影もできるので画面に変化をつくりやすく、参加者が飽きにくくなるのもメリットの一つです。
・デジタルカメラ・ビデオカメラのデメリット
パソコン内蔵カメラや外付けWebカメラに比べ価格が高くコストがかかります。
3.自社に合うウェビナー用カメラを選ぶポイント
それぞれのカメラのメリット・デメリットを見たところで、自社に合うウェビナー用カメラを選定するポイントをお伝えします。
3-1. ウェビナーの内容で選ぶ
例えば、Web配信だけではなく、後にDVDやBlu-rayなどパッケージ製品として販売する、YouTubeに編集版を投稿するといった場合は、デジタルカメラやビデオカメラをおすすめします。また、Webだけであっても5人以上でスライドを使いながらパネルデスカッションをする、製品の動作デモを行うといった場合も、高機能なカメラがよいでしょう。何をしているのかが明確に伝わり、途中離脱のリスクが低減できます。
3-2. カメラの性能で選ぶ
ウェビナー用カメラを選定するポイントの一つめは、カメラの性能です。具体的には次の点を意識してチェックしましょう。
▼画質ウェビナーの画質を判断するポイントは解像度。通常であれば、720pのHD以上あれば問題なく配信が可能です。より画質のよい映像を配信したい場合は、1080pのフルHDをおすすめします。それ以上の画質を求める場合、4Kがありますが、ウェビナーツールによっては、4Kを使っても1080pに抑えられてしまうものもあるので、リアルタイム配信なら1080pでも問題はありません。後々、DVDやBlu-rayで販売を検討しているなら4Kがよいでしょう。
▼画角「画面に映る範囲を示す角度」を意味する画角。登壇者が一人もしくは二人であれば、70°~90°。三人以上いるのであれば、90°~120°がおすすめです。
▼マイク基本的にマイク付きのものがおすすめですが、マイクの種類を把握しておく必要があります。マイクには話す人の声を正面から集音するだけの単一指向性、そして、全方向から集音する無指向性(全指向性)があります。一人だけで行うウェビナーであれば、ノイズを拾いにくい単一指向性。複数人で行う場合は、無指向性(全指向性)が良いでしょう。また、マイクはモノラルとステレオがあり、より良い音質で配信するのであればステレオがおすすめです。
▼フレームレートフレームレートとは動画における画面表示速度です。動画の1秒間当たりに表示されるフレーム数を「fps(frame per second)」という単位で表します。滑らかな画質で配信したい場合は、フレームレートを確認しましょう。登壇者が話すだけのウェビナーでも15fpsは必要です。製品のデモをしたい、細かな動きについて解説したい場合であれば30fpsのものを用意してください。ただし、これも30fps以上のものは使えないウェビナーツールがあるので、どのウェビナーツールでウェビナーを開催するのかを決めてから選定するようにしましょう。
▼PTZ機能
リモコンで遠隔操作が可能なPTZ機能が付いているものを選定すれば、一人でも動きのあるウェビナー開催が可能になります。
ここまで、ウェビナーに必要なカメラをスペックの面から見てきました。ただし、参加者に内容をしっかりと伝えるには、スペックも重要ではありますが、それ以上に重要なのが配信内容のクオリティです。
4.コスト削減よりも参加者の満足度向上を意識することが重要
ウェビナーは新型コロナウイルス感染拡大防止対策として導入する企業が一気に拡大しました。しかし、現在ではさまざまなメリットがあることから、通常のセミナーと同様、重要なマーケティング施策の一つとして定着しつつあります。
ただ、ウェビナーを開催する企業が増えたため、差別化が難しくなっているのも事実です。そこで内容の充実やウェビナーツールのアンケート機能を使うなど参加者を飽きさせない工夫が重要になってきます。配信を行うカメラのクオリティ向上もその一つで、よりしっかりと内容を伝えるうえで欠かせないポイントといえるでしょう。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください。
今回紹介したようにウェビナー用のカメラは多様ですが、選定で重視するのはコストよりも参加者の満足度をいかに上げられるかです。ストレスなく滑らかで鮮明な画像で配信すれば、それだけ内容も伝わりやすくなり、何度も見たいと思ってもらえるようになります。そこでおすすめなのが撮影や配信技術は外注に任せ、コンテンツの内容向上に注力する方法です。両方をやろうとして中途半端になるよりも任せられる部分は任せたほうが、より高いクオリティのウェビナーが可能になるでしょう。
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▼参照サイト
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- 動画撮影・編集・オンライン配信が出来る、撮影スタジオ「ICHIGO ICHIE DIGITAL」のショップスタッフチームです。東京メトロ渋谷駅 地下B1出口より徒歩1分。「伝えたいことを、想いのままに伝えたい。かけがえのない、一期一会の出逢いを創る。デジタルコンテンツづくりをお手伝いします。」をコンセプトに、デジタルサイネージのショールームを併設し、クリエイターがお客様のコンテンツづくりの“お悩み”にお応えする、コンシェルジュサービスを提供いたします。