セミナーの一つの形として定着しつつあるウェビナーですが、導入する企業が増えるにつれ、成果を出しているケースと失敗に終わってしまうケースの差が出始めています。失敗に終わってしまうケースの理由はさまざまですが、そのなかでも主なものとして挙げられるのが、ウェビナーへの理解不足です。従来のセミナーと同じとして考えていると失敗に終わる可能性は高まってしまうでしょう。そこで、今回はウェビナーで成果を上げるために欠かせないコンテンツの形式や内容についてお伝えします。
1.ウェビナーの形式にはどのようなものがあるか
ひと口にウェビナーといってもその開催形式は多様です。ここではそのなかでも主な形式とその特徴を紹介します。
1-1. プレゼンテーション型
自社の商品やサービスを紹介する場合に多く使われる形式です。スライドや動画、製品デモなどを使い、概要説明から詳細な内容まで基本的には一人の登壇者が参加者に語りかける形で行われます。
1-2. インタビュー型
プレゼンテーション型同様、自社の商品、サービスを紹介する場合に使われる形式です。一人が質問者になり、参加者が知りたいと思うことをインタビューし、もう一人がそれに回答していきながら商品・サービスの概要、メリットなどを伝えます。
1-3. パネルディスカッション型
自社が属する業界の最新情報やこれからの課題、展望などをテーマに話をする場合に使われるケースが多い形式です。一人がファシリテーターとなり、複数の登壇者に話を振りながら進めていきます。
※①ェビナー全体の概要やメリット・デメリットについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
2.ウェビナーの各形式のメリット・デメリット
プレゼンテーション型、インタビュー型、パネルディスカッション型、それぞれにメリットとデメリットがあります。具体的には次のとおりです。
①プレゼンテーション型のメリット
通常でのセミナーでも多く使われる形式のため、作成がしやすくなります。また、基本的には一人で行うことから、人的コストが抑えられるのも大きなメリットです。
②プレゼンテーション型のデメリット
登壇者がセミナーに慣れていないと単調になってしまいがちです。また、要旨がまとまらない場合など伝えたいことが伝わりにくくなってしまう可能性があります。
③インタビュー型のメリット
対談形式で進めていけるため、見た目も内容にもメリハリがつき、伝えたいことが伝わりやすくなります。
④インタビュー型のデメリット
参加者が知りたいことを把握していないと質問者の質問が的外れなものとなってしまうでしょう。また、質問者もある程度知っている前提で話が進んでしまい、参加者が置き去りにされてしまう可能性もあります。
⑤パネルディスカッション型のメリット
登壇者が複数いるため、さまざまな角度からの情報を得られ、参加者は飽きずに視聴ができます。
⑥パネルディスカッション型のデメリット
ファシリテーターの進行が悪いと話がまとまらず、結論も出ないままズルズルと続き離脱されてしまうリスクがあります。
3.ウェビナーが失敗してしまう要因とその解決策
前項で挙げたウェビナー形式のメリットとデメリットを踏まえ、ウェビナーが失敗に終わる要因とその解決策について説明します。
3-1. 事前の打ち合わせ不足
インタビュー型やパネルディスカッション型は、複数人で行うため、事前の打ち合わせが不足していると内容が薄かったり話がまとまらなくなったりしてしまうでしょう。
通常のセミナーであれば、多少、話が脱線したり回答に窮したりすることがあってもすぐに席を立たれてしまう可能性は低いですが、ウェビナーはすぐに離脱されてしまいます。そのため、解決策としては、質問内容と回答は事前に作成し、すり合わせを行う。可能であればリハーサルを行うなどが必要です。
3-2. オフラインのセミナーと同じように進めてしまう
ウェビナーは自宅や外出先からでも参加が可能なため、入り口のハードルは低い分、通常のセミナーで途中退席するのに比べ離脱のハードルも高くありません。「ちょっと退屈になる」「話の内容がわからない」などとなれば、簡単に離脱されてしまいます。
解決策としては、まず通常のセミナーとウェビナーが同じ構成では失敗してしまう可能性が高いことを理解しなければなりません。例えば、通常のセミナーであれば、冒頭にちょっとした世間話で場の雰囲気を和ませるといったケースも多いのではないでしょうか。
しかし、ウェビナーはそもそも参加者のいる場所がバラバラなため、場の雰囲気を和ませる必要はありません。むしろ、ウェビナーのタイトルと実際に始まってからすぐの話の内容が異なるとそれだけでも離脱の要因となる場合があります。
解決先としては、開始後は簡単なあいさつだけですませ、すぐにタイトルに沿った形で脱線せずに話を進めていくことが重要です。
3-3. ながら見されていることを想定した内容になっていない
ウェビナーでは参加者がどのような形で視聴しているかがわかりません。電車で移動しながらの人もいれば、自宅で別の仕事をしながらといった人もいるでしょう。特にプレゼンテーション型の場合、そうした状況のなかで、多くのことを伝えようとしてもそのすべてを理解してもらうのは簡単ではありません。
解決策としては、1回のウェビナーで1つだけ重要なことを伝える意識で進めていくようにします。冒頭で問題提起を行い、その解決策を伝える。そして最後のまとめでもう一度、それを伝えることで、ながら見であっても大枠は理解してもらえるようになるでしょう。
3-4. 話だけで内容を理解させようとしてしまう
ながら見をする人を前提に、画面を見なくても内容が理解できるように話を中心に進めるのは決して悪いことではありません。しかし、同時に集中して視聴している人にとっては話だけになると、どうしても画面が単調になってしまい飽きてしまう要因となります。
そこで解決策としては、補足情報としてスライドで画像を多く見せ視覚的にメリハリをつけるようにしましょう。できるだけテキストは使わず、使っても大きな文字で端的に内容を表すだけに収め、後は話で説明するようにします。
ウェビナーはオンデマンド配信であれば何度でも視聴が可能です。リアルタイム配信でもアーカイブで後から視聴ができるようにもできます。仮に最初は聞くだけであっても、後から気になる部分の画面をチェックできるので、できるだけスライドを多く使うのも飽きさせずに最後まで見てもらうポイントの一つです。
4.ウェビナー成功のポイントは通常のセミナーとの違いを理解すること
ウェビナーを単純に通常のセミナーの代替と考えて開催すれば、高い確率で失敗に終わってしまうでしょう。代替であったとしても、内容はウェビナーであることを意識して作成しなくてはなりません。
また、形式についてもそれぞれの特徴やメリットとデメリットを理解し、自社が行うウェビナーの内容に合ったものを選定する必要があります。通常のセミナーとウェビナーの違いをしっかりと認識し、自社の目的に合った形式、構成を検討することがウェビナー成功のポイントといえるでしょう。
ほか、ウェビナーと個人で行うライブ配信などとの大きな違いとして、撮影や配信の環境が重要になる点も挙げられます。話の内容やライブ感だけではなく、撮影や配信のクオリティもウェビナーを成功さえるうえで欠かせないポイントの一つです。そのため、撮影や配信は外注にしてみてはいかがでしょう。そのほうが余計なことに気を使わず、ウェビナーの内容だけに注力できます。
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著者プロフィール
- ICHIGO ICHIE DIGITAL ショップスタッフ
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