こんにちは。株式会社プリントボーイが運営する、渋谷の動画撮影・配信・デジタルコンテンツ制作サポートショップ、
ICHIGO ICHIE DIGITAL(イチゴイチエデジタル)の店長、佐野です。
さて、マルチメディア、と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
1人1台スマホやパソコン、タブレットなどを持つ時代になり、街中にはデジタルサイネージがあふれ、私たちの身の回りは、マルチメディアであふれています。「マルチ」は「複数の」という言葉を意味する通り、マルチメディアとは、文字や音楽、音声、静止画、動画など、もともとは別々の情報を、コンピューター上で組み合わせ複合的に表現する技術やシステムのことです。様々な情報をひとまとめにするものがマルチメディアです。
この私たちの生活と切っても切り離せないマルチメディアですが、投影するためにはそれぞれの媒体にあった適切なデータ形式のコンテンツが必要となります。制作経験のある方には、その種類や違いもさほど難しくないかもしれません。
ただ、マルチメディアである動画やWebサイト、サイネージ用のコンテンツなどを、自分で試しに作ってみよう、プロに外注しよう、という立場の方にとっては、あまり馴染みのないものも出てくることでしょう。素材データを準備する際にはどんな形式がいいのか?これは最終的な成果物の出来や、投影自体ができるかどうかにも影響するため、しっかり理解しておきたいところです。今回の記事では、そんなデータ形式について、簡単にご紹介していきたいと思います。
1-1.データ形式とは
各データのプロパティを見ると、データ名の後ろについている、「.jpg」「.png」のような、呪文のような記号・・・これは、拡張子と呼ばれるものです。アプリケーションを使ってデータを保存する時の記録方式をデータ形式と言い、その種類を表す文字列が拡張子です。
1-2.制作では必須の知識、「データの互換性」って何?
一般にアプリケーションは独自のデータ形式で保存するために、他のアプリケーションでは読み書きできない(扱えない)ことがあり、これをデータ間に互換性がない、と言います。例えば、制作の際によく見かけるもので「.ai」(エーアイ)という文字列のついたデータファイルがあります。これはAdobe株式会社(アドビ)が開発しているグラフィックソフトである、Illustrator(イラストレーター)のネイティブなファイル形式のことで、同ソフトの標準ファイル形式となります。Illustratorで作成する固有の編集情報を完全な形で保存することが可能なため、よく使用されています。元データがIllustratorで作成した素材データがあれば、基本的にはその「.ai」データも共有することが一般的です。Illustratorで作成したデータであれば、基本的にはIllustratorで開き、編集することができます。「.ai」データは、Illustrator以外のソフトでは開けない、閲覧できても表示崩れが起きることがあり、これは互換性がないために生じる現象です。
なお、Illustrator間でも使用したソフトのバージョン(新旧)により互換性がないことがあります。旧バージョンで作成したものを最新バージョンで編集することはできますが、逆は出来ないこともあります。不安がある場合はプロに依頼し、制作するソフトのバージョンについて理解し、相談に乗ってもらうことをおすすめいたします。
2-1.互換性のある共通フォーマットとは
固有のデータ形式もあれば、互換性のある共通のデータ形式(共通フォーマット)もあります。OSやアプリケーションに依存しないものです。代表的なものに、テキスト形式(.txt)、CSV形式(.csv)、PDF(.pdf)があります。
外部のプロにWebサイトや、パンフレットやポスターなどの印刷物を依頼する際には、よくPDFが利用されます。クライアント側と依頼を受けている側がWindowsやMacなどの異なるOSを使っていたり、アプリケーションソフトが違っても、確認や校正などデータをチェックする際に同じ体裁で確認することで認識違いを防いだり、印刷用データに使用することでミスを防いだりすることができます。
2-2.マルチメディア制作時に必要となる、ファイルデータ形式とは
音声データや静止画、動画などのマルチメディアデータをデジタル化すると、膨大なデータ量になるために、データのサイズを小さくすることが必要になります。データをメールやクラウド転送サービスでやりとりをするときに、圧縮する、解凍する、というフレーズを聞くことがあるのではと思います。圧縮とはデータのサイズをある決まりに従い小さくすることです。また、元に復元することを解凍(伸張)と言います。データを受け渡す時には、圧縮して保存し、アプリケーションで実際に開くときにはそれを解凍して利用します。データの圧縮には、圧縮後のデータを完全に復元できる「可逆圧縮方式」と、完全には復元できない「不可逆圧縮方式」があります。たとえ完全に復元することはできなくても、データの利用者にとってそれが許容範囲であれば使うことができます。例えば画像が多少劣化していても、ほぼ見た目には気づかずWebサイトで見る場合には利用に支障がないなどのケースです。Webサイトではデータ容量を軽くするために低解像度、つまり粗い画像を使っても問題ないことが多いですが、印刷物にすると粗さが目立ってしまい品質が下がってしまう・・・など用途に応じて適切な形式があります。マルチメディアのデータ形式には、圧縮による取り扱い方の差もありますので、このように用途により適切なものを準備したいところです。
3-1.主な素材用途別のデータ形式と活用シーン
先ほどの圧縮の概念を加味した、主な用途別のデータ形式を下記に記します。動画やWeb、印刷物などでそれぞれ適したデータ形式は異なっています。初めての発注で不安な時には、プリントボーイのようなデジタルメディア、紙媒体でのコンテンツづくりを両方得意とする制作会社に相談することで安心につながるでしょう。
▼静止画
▼動画
▼音声
3-2.動画のファイル形式でおすすめはMP4
動画は映像と音声の大容量のデータが組み合わされたものです。コーデックと呼ばれる圧縮・伸張の技術で圧縮された「映像ファイル」と「音声ファイル」の2つのデータファイルを、コンテナと呼ばれる1つのファイルにまとめて、それを同時に再生しています。コーデックは鍵のようなもので、動画を再生する時には圧縮した時に使用した「コーデック」と同じ「コーデック」を使用する必要があります。
また、動画のファイル形式(コンテナ)には、MP4、AVI、MOV・・・など様々なものがあります。このコンテナによって、画質、圧縮にかかる時間や、互換性、対応しているコーデックなどが変わっていきます。これを理解しておかないと、せっかく動画を作ろうとしても「字幕が入れられない」、「媒体によって再生できなかった」「他の形式に変換するのが大変」など、様々な問題が発生します。
発注時には必ず、動画のファイル形式を決める必要があります。用途別に適したファイル形式、コーデックを選ぶ必要があり、一部のデジタルサイネージなどではMPEG-2などを利用するものもあり、迷ってしまうことも多いと思います。迷った場合はまず、MP4を指定しておくことをおすすめします。
MP4は最も多く利用されている動画のファイル形式であり、多くの動画プラットフォームで再生ができること、容量の大きい動画を圧縮することに向いていることから、汎用性の高いファイル形式です。
OSに縛られることなく、スマートフォンや多くの家電機器でも再生することが可能です。会社紹介動画や研修動画、マニュアル動画など、多くの方に見てもらいたいものは、汎用性の高い形式にしておくことが無難です。またこの動画形式の詳しい部分については、別のコラムにてご紹介していきます。
4.まとめ
さて、今回は初めて動画などのコンテンツ制作を外注する方に向けて、マルチメディアのデータ形式について簡単な解説をさせていただきました。
例えば、自分自身で動画編集を行う際にはMOVやAVIなどのOSの標準規格を利用することが効率的なこともありますが、最終的な成果物を何とするか、どの媒体に公開するのかによって適切な素材、必要なデータ形式は変わってきます。どのようなコンテンツもコミュニケーションを目的として作られるものであるため、その内容が重要なことはもちろん、視聴者・利用者がストレスなくその情報を受け取れるよう、適切な形式を選択して制作することが重要です。
その道のプロに任せることで、コンテンツ全体の質を向上させることができます。受け取り手の行動変容を促すためのコンテンツ作りに迷ったら、ぜひICHIGO ICHIE DIGITAL(イチゴイチエデジタル)にご相談ください。コンテンツ作りのプロフェッショナルがお客様の初めてのコンテンツづくりを全力でサポートいたします。
ICHIGO ICHIE DIGITAL(イチゴイチエデジタル)は、渋谷宮下パーク前にある、撮影スタジオ&デジタルコンテンツ制作サポートショップです。お問い合わせ・ご見学をお待ちしております。
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