発送代行サービスは、商品や資料などの封入・発送をまとめて対応してくれるサービスの総称です。イベント・セミナー・研修サービス関連企業は、初めてのオンラインセミナーやイベントで、資料や機材の発送、保管スペース確保やセッティング業務で悩んでいるかと思います。
今回は、発送代行サービスの概要をはじめ、導入メリットから代行業者の選び方を解説していきます。
1.発送代行サービスとは?
発送代行サービスは、イベント・セミナー・研修サービス業界で手間のかかる業務でもある封入や発送業務、各種機材の管理などを一括代行してくれます。
まずは、発送代行サービスの概要について解説していきます。
1-1.手間のかかるDMの発送業務代行
発送代行サービスは、イベントやセミナー関連企業などでも手間のかかるDMやチラシ、資料の発送も代行してくれるサービスを指します。セミナーの案内資料やチラシなどは、基本的に100部や1,000部といったまとまった量を作成し、封筒へ封入したうえで発送しなければいけません。さらにセミナーやイベント終了後には、各参加者に次回のイベント案内や参加者限定の資料送付なども控えているため、定期的に発送業務の工数を確保しなければいけません。
しかし、リモートワークへの切り替えやセミナーやイベントの準備で人手不足の場合、なかなかDMやチラシの発送、管理業務にまで手が回りません。発送代行サービスは、このような集客や販促に必要な業務も一括対応してくれるので、自社の生産や企画、営業やマーケティングなどの業務にリソースを集中できます。
1-2.オンライン業務に必要な機材の保管や発送業務も代行
発送代行サービスは、DMやチラシの発送に加えて機材の保管管理や発送(レンタル含む)に対応している点にも注目です。セミナーやイベント関連企業は、新型コロナウイルスの感染拡大防止という観点からリモートワークへの切り替えやオンラインセミナー・イベントなどに向けて、準備を始めているのではないでしょうか。
オンライン業務やサービスには、パソコンやタブレットいった端末のほか、Wi-FiルーターやLANケーブル、プロジェクター、Webカメラ(PC外付けの場合)、スイッチャー(複数のカメラを制御)、マイクなどさまざまな機材やソフトウェアが必要です。
発送代行サービスでは、依頼企業の機材を倉庫で保管管理してくれるだけでなく、必要に応じて機材を発送したり設定や各種準備まで一括対応してくれたりするのも大きな特徴です。現在、新規に納入した機材の保管スペースや設定準備で悩んでいる企業は、特に検討してみる価値があると言えるでしょう。
1-3.アッセンブリーも代行してくれる
アッセンブリーは、組み立てや梱包作業を指す専門用語です。セミナーやイベント関連企業の場合、オンラインセミナー・イベントに使用する各機材の組み立てや設定、セミナー参加者向けの参加申込書や資料をまとめる業務もアッセンブリー作業として区分できます。
アッセンブリー作業は、オートメーション化できずに手作業の加工が必要となる業務です。発送代行サービスを担う企業のなかにはこうした業務にも対応しているところがあります。
2.発送代行サービスの導入メリット
発送代行サービスでは、時間やコストといった点でメリットを得られます。ほかにも、テレワークに切り替えてしまったあとに、人が集まらなければ進められない作業が発生してしまった場合も代行してくれるなど便利な側面もあります。それでは発送代行サービスの主な導入メリットを確認していきましょう。
2-1.自社のリソースを商品の開発やセミナーへ回せる
機材の保管管理からオンラインセミナー・イベントに必要なプロジェクターやネットワークの設定などは、どれも手間と時間のかかる作業です。また、こうした準備に慣れていないと、音割れやカメラのピンボケ、音声や映像のズレなど細かな問題が頻発してしまいオンラインセミナー・イベントどころではありません。
発送代行サービスは、専門のスタッフが各企業の機材を丁寧に保管管理しています。さらにオンラインセミナーの際には、必要な機材を指定の会場まで発送し、マイクやスピーカー、PC内のソフト立ち上げから各機材の連携、調整作業まですべて対応してくれます。そのため、自社のリソースをセミナーやイベントの企画や台本作成、新サービスの開発などに集中できるのが魅力です。
2-2.人が集まらなければ進めにくい封入作業も外注可能
テレワークやオンラインサービスなど「新しい生活様式」が進み利便性が向上している一方、人が集まらなければ進めにくい業務も当然あります。例えば、オンラインセミナー・イベントなどの案内資料や申込書類を作成したり封筒に封入したりといった作業は、複数人で対応する必要があります。
発送代行サービスでは、DMサービスだけでなく、紙の資料や販促用チラシ、セミナー・イベントの申込書類を一つひとつ確認しながら封入、発送作業を行ってくれます。そのため自社のテレワーク化を維持しながら、集客や販促用の資料やチラシの封入、発送業務を進められます。
2-3.人の手で進めてくれるので状況に応じ柔軟に調整できる
発送代行サービスは、人の手で機材の保管管理や設定作業、DMやチラシの発送手続きや内容確認を行います。また必要に応じて、発送量の調整も柔軟に対応してくれるのが特徴です。
オンラインセミナーやイベント・研修は、内容や講師の人数などに応じてマイクの本数を調整しなければいけません。リモートに慣れていない企業にとってこのような作業は、必要な機材の確認だけでも時間のかかる作業です。そうした企業は特に発送代行サービスの活用メリットが享受できるでしょう。
2-4.労働時間の削減や効率化につながる
発送代行サービスを活用した機材の保管管理やチラシ発送業務の外注化は、労働時間短縮や業務の効率化にもつながります。オンラインセミナーや研修の準備などの影響で、長時間労働が常態化している場合は特に業務の効率化につながるでしょう。
さらに人件費の一部を変動費(外注費)へシフトでき、予算の範囲内での発送代行サービスの利用も可能ですし、コストカットも期待できます。委託費用については依頼内容によって変わりますが、見積もり作成・提示してもらったうえで依頼を慎重に検討できます。
3.発送代行業者の選定方法
発送代行業者を選定するときは、費用に加えて作業範囲や実績などを総合的に確認することが大切です。最後に、発送代行業者の選び方を、3つのポイントに分けて紹介していきます。
3-1.発送代行業務の内容を確認する
今回紹介している発送代行サービスは、商品の発送代行といった単純なサービスだけではありません。例えばDMやチラシ、セミナー参加申込書類、販促用の資料などの封入業務や発送代行を一括対応してくれるサービスや、オンラインセミナーにも必要なPCやマイク、プロジェクター、スイッチャーなどの機材準備や保管管理業務にも対応しています。
まずは発送代行業者がどのような業務に対応しているか、問い合わせもしくは見積もりの段階で一つひとつ確認しておきましょう。
3-2.費用と作業内容を比較する
発送代行サービスの費用は、作業内容や各業者によって変わります。可能であれば相見積もりを行い、作業内容の内訳と費用から比較するのがおすすめです。費用のみの比較ではサービスの品質は分かりませんし、作業の内訳も確認しなければ予算の範囲内でどこまで対応してくれるか把握できません。
3-3.アッセンブリーも対応しているか確認
オンラインセミナーやイベントを初めて実施する企業の場合は、アッセンブリーにも対応している業者から比較検討するのがいいでしょう。例えば業務プロセスの一部を代行してくれる発送代行業者では、機材の保管管理業務だけでなく、必要に応じて倉庫から機材を発送し、照明設備やカメラ機材の設置から各種機材の配線接続や同期、マイクチェックなどセッティング業務を一括で対応してくれます。また、チラシや資料、セミナー参加者への特典の発送など、同梱物の発送業務にも柔軟に対応してくれる業者を探しましょう。
まとめ
イベントの案内やキャンペーン情報など集客・販促関係の資料を封入・発送する業務は、少数の人員で対応することが難しい作業です。また、イベントやセミナーのオンライン開催が増えるほど、機材の保管スペースや機材数に関する課題も増えていきます。
発送代行業者は、各種資料の封入や発送業務、封筒の折り加工やスタンプ押しに加えて、オンラインセミナーやイベントに必要な機材の保管業務や発送とセッティングにも一括対応してくれます。まずは、各業者の対応業務を確認し、外注化によるコストカットや効率化を軸に比較検討してみてください。
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著者プロフィール
- BST編集部
- HOPEN(旧社名:PRINTBOY)の新規事業を企画・運営する部門がお届けする、業務改善お役立ち情報サイト”BST”の編集チームです。多種多様なメンバー+その時々のゲストメンバーで、皆様の日々の業務における”困った””わずらわしい””こうだったらいいのに”を解決する情報をお届けします!