「ペルソナ」という言葉をご存じでしょうか?古代ローマで仮面を意味するラテン語「Persona」に由来し、
元々は心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した概念でしたが、現在はマーケティングの場面でよく使われるようになりました。
ビジネスの場面では、商品やサービスのターゲットとなるお客様を、具体的に描写する架空の人物像のことを指します。
「ペルソナ」を設定することで、お客様のニーズを深く理解し、最適なアプローチを取ることができるとされています。
本記事では、ペルソナについての基本的な説明と効果的な作成方法をご紹介します。
マーケティングのご担当者様や、制作しているコンテンツがあまり効果がない方など、ご興味がある方はぜひご覧ください。
◆目次
1.ペルソナとは?
ペルソナは、単なるデモグラフィックデータ(年齢、性別、職業、居住地など)だけでなく、心理的な面も含めた顧客像を描き出すものです。
これにより、商品やサービスの開発、マーケティング、お客様対応の方針が一貫することで、お客様に響く体験を提供しやすくなります。
1-1.ペルソナの重要性
ペルソナを設定することで、次のようなメリットが得られます。
- ターゲットを明確化
お客様がどのような人物であるかを明確にすることで、商品開発や広告における無駄を省き、効率的なリソース配分が可能です。 - ユーザー視点の向上
実在のお客様と共感できる要素を増やし、お客様が本当に求めているものに近づけることができます。 - マーケティング戦略の精度向上
広告、コンテンツ、プロモーション活動において、ペルソナに基づいた戦略がお客様の反応を引き出しやすくなります。
1-2.ペルソナの構成要素
効果的なペルソナには、以下の要素が盛り込まれていることが一般的です。
- 基本情報
年齢、性別、職業、家庭構成、住んでいる地域などのデモグラフィックデータ。 - 興味・関心
趣味や休日の過ごし方、好むブランドやメディア、価値観など、顧客のパーソナリティを反映します。 - ニーズと課題
顧客が抱えている悩みや欲求を記述し、ペルソナに向けて解決策を提供するためのベースとします。 - 購買動機と決定要因
購入を決断する際に影響を与える要因(例えば、価格、ブランドイメージ、口コミ)を記載します。
2.ペルソナ作成の4つのステップ
2-1.リサーチを行う
まずはデータを集めるためのリサーチを行うことが大切です。既存の顧客データ、アンケート、インタビュー、SNS分析などを通じて、ターゲット層の実態に基づいた情報を集めましょう。
2-2.共通項を見つける
収集したデータから共通のパターンや傾向を見つけましょう。複数のペルソナが必要な場合もあるため、リサーチデータをもとに分析を行い、具体的なペルソナ像を絞り込むことが大切です。2-3.ペルソナを詳細に描写する
得られた情報を基に、架空の人物としての「ストーリー」を組み立てましょう。名前を付け、画像や写真を選び、生活背景や個性まで設定することで、リアルな人物像が完成します。2-4.チーム内で共有する
ペルソナを作成したら、関係するチーム全員で共有しましょう。チームで共有することで全員がお客様視点で意思決定を行えるようになり、企業としての一貫性が高まります。3.ペルソナを活用してみよう!
ペルソナは、単に作成するだけでは効果が発揮されません。商品開発、プロモーション活動、顧客対応において、ペルソナを常に参照しながら意思決定することが重要です。
たとえば、広告を制作する際には、ペルソナの関心や行動パターンを考慮してメッセージを作成することで、効果的にターゲットにリーチできます。
それでは、実際にペルソナを設定してみましょう。
以下は、「ピアノ購入を検討している顧客」の具体的なペルソナ例です。
ピアノの販売業界でペルソナを使ってターゲット顧客像を明確にし、より効果的なマーケティング戦略を立てるための参考になります。
<ペルソナ例:ピアノ購入を検討している顧客>
名前:田中 美咲(たなか みさき)
年齢:35歳
性別:女性
職業:小学校教師
居住地:東京都内
家族構成:夫(会社員)、5歳の娘
<基本情報>
田中さんは、小学校の教師として働いており、ピアノを通じて音楽教育にも興味があります。
娘の成長に伴い、家庭での音楽学習を楽しんでもらいたいと考えており、家族のためのピアノ購入を検討しています。
<興味・関心>
趣味:料理、読書、音楽鑑賞(クラシック音楽が特に好き)
休日の過ごし方:家族と公園に出かけたり、美術館を訪れるのが好き
ブランド信頼度:YAMAHAやKAWAIなど、国内メーカーのピアノに親しみを感じている
メディア:SNSではInstagramをよく利用し、ピアノや教育に関する投稿をフォローしている
<ニーズと課題>
ニーズ:娘が成長しても使える高品質なピアノを購入し、家族で音楽を楽しみたい。ピアノ初心者の自分でも扱いやすい製品を求めている。
課題:ピアノの種類が多く、どれが自分や家族に合っているのか判断が難しい。特に価格面での負担を抑えつつ、長く使用できる製品がほしい。
<購買動機と決定要因>
購買動機:娘にピアノを教えたいと考えており、家族で音楽を共有する時間を大切にしたい。また、自分もピアノを習得することに興味がある。
決定要因:ピアノの品質と価格のバランス、家族のライフスタイルに合ったサイズとデザインが重要。購入後のアフターサービスやメンテナンスのサポートも気にしている。
<顧客ストーリー>
美咲さんは幼少期にピアノ教室に通った経験があり、自分の娘にも音楽を通じて感性や集中力を養ってもらいたいと考えています。
いくつかのピアノ専門店やオンラインのレビューサイトをリサーチし、どのモデルが家族に適しているかを比較しています。
家庭用にアップライトピアノか電子ピアノを検討しており、できれば日本製のピアノを選びたいと考えています。
<マーケティングアプローチ例>
情報提供:初心者向けのピアノ選びに関するガイドや、家族向けに最適なピアノモデルの紹介記事をブログで発信。
プロモーション活動:家族で楽しめるピアノの購入相談会を開催し、子供と一緒に試奏できるイベントを提案。
アフターサービスの強調:購入後のメンテナンスサービスや、長期保証プランについても積極的にアピールすることで、安心して購入できるサポート体制を伝える。
このように、具体的なペルソナを設定することで、マーケティングメッセージを明確にし、顧客が共感しやすいアプローチを行うことができます。
4.ペルソナを設定後もアップデートは必要!
ペルソナを設定することはマーケティングの精度を高める点で効果的ですが、設定したペルソナは、普遍的なものではありません。
市場や顧客のニーズは変化し続けるため、ペルソナも随時見直し、最新の顧客像に合わせてアップデートすることが推奨されます。
5.まとめ
ペルソナを設定することはターゲットを明確化し、顧客視点を高めることで、マーケティング精度の向上やサービスの質を高めることに役立ちます。
また、リアルな人物像が想像できるほどに具体化することで、より効果を発揮します。そのため、色々コンテンツを制作しているが成果に繋がっていない場合は、ペルソナの設定がおすすめです。
しかし、市場や顧客のニーズは変化し続けるため、設定したペルソナを手掛かりに、最新の顧客像や、実施した施策の反響を見て、ブラッシュアップやアップデートをするようにしましょう。
ホープン(旧社名:プリントボーイ)では、商品・サービスの魅力をよりターゲットに伝えられるよう、お客様への企画・制作・プロモーションの伴走支援を行っております。ペルソナを踏まえたコンテンツ制作も可能ですので、お気軽にご相談ください。
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