スマートフォンの普及により、誰もが簡単に欲しいものをいつでも購入できるようになりました。
さらに、オンラインショッピングの普及により、商品を検索し比較できるためECサイトの競争はますます激化しています。
その中で、お客様に選ばれる商品ページを作るには、魅力的な商品画像が欠かせません。
商品画像は購入を判断する際の重要な要素になり、どんなに良い商品でも画像が魅力的でなければ、お客様の目には留まりません。
本記事では、当社ホープンのカメラマン庄司が伝える「売れる商品画像を撮影するためのコツ」をご紹介いたします!
商品を最大限、魅力的に見せる撮影のポイントから、どんな撮影環境が必要なのかもご案内していますので、
ECサイトの運営者様やマーケティング担当者の皆様を始め、販売促進を目指されたい方はぜひご覧ください。
◆目次
1.商品撮影とは
商品写真が売り上げに与える影響
ECサイトに掲載する商品写真は、実店舗の商品棚と同じ役割を持ちます。
実店舗で商品を手に取ってどんな商品なのかを確かめるように、ECサイトでは商品の写真を参考に、商品を購入するかどうかを判断します。
購入するかしないかの選択においては、写真のクオリティが当然重要になってきます。
商品が良くわからない写真では参考にならず、写真によって写りがバラバラでは商品同士の比較もできません。
それでは、どういった部分を心がければよいでしょうか。
以下に、プロのカメラマンがECサイトにアップする商品写真撮影で、何を意識して撮影しているのか、ご紹介いたします。
2.プロが伝授!売れる商品画像の5つの基本ルール
①明るさと色味の調整
商品撮影で一番重要なのは、なんといっても「商品写真の明るさ」です。
商品全体に均等に明るい光を当てつつ、質感が出るように光の方向も意識をしてライティングをします。
②商品の色を踏まえて背景を選ぶ
商品がよりきれいに写るには空間も重要といえます。
例えば、白い空間に真っ白な商品があると、背景との境目がわかりづらく、商品の輪郭の表現が難しくなります。
だからといって、商品より背景が目立ってしまうと、商品の情報があまり印象に残りません。
そのため、商品を置く場所や空間の奥行、背景の色や情報量など、撮影時には気にする必要があります。
商品のサイズにもよりますが、小物などであれば市販されている撮影用の背景紙や撮影ボックスを使用するのも一つの選択肢です。
③複数アングルで商品の魅力を伝える
先ほどお伝えしたように、実店舗では手に取って商品を確かめることができますが、Web上では画像という二次元の情報で商品を確かめてもらう必要があります。
そのため、商品の魅力をより伝えられるように、商品を正面から撮影するだけでなく、斜め上から、真横から、裏側というように、画像は別角度から複数枚用意するようにしましょう。
空間に商品があるだけでは、大きさが伝わりづらい場合も考えられます。その場合、たとえばエコバッグを紹介する際には、ペットボトルや漫画本のように、世の中で広く認知されているものと一緒に撮るとサイズ感がより伝わりやすくなるのでおすすめです。
商品のサイズ感を伝えたい場合には、一般的に認知されているものと合わせて撮影するようにしましょう。
④部分フォーカスで質感をアピールする
商品全体が写っていることも重要ですが、あえて全体を写さずにクローズアップすることも大切です。
商品の特徴になる部分(例えば、布製品の生地の表面など)をフォーカスし、クローズアップして撮影すると、より質感が伝わるようになります。
商品の硬さやなめらかさ、凹凸などをクローズアップすることは、実店舗で手に取る際の触覚にかわる写真になります。そのため、EC用の商品写真は質感が分かるように、クローズアップした写真も用意するようにしましょう。
⑤一貫性をもたせる
ECサイト全体を見渡した時の全体のバランスを考えた撮影をすることも大切です。
ルールに沿った写真が並んでいるだけで統一感が生まれ、一貫性を持たせることができます。
同じ質感で撮影された写真が並ぶことで、ECサイト全体のブランディングになるため、可能な限りルールを決めて、同じクオリティで写真を量産できるよう撮影していくことが大切です。
3.プロ撮影のための撮影環境の準備
①カメラは「デジタル一眼レフ」または「ミラーレス一眼」を用意する
商品を魅力的に撮影するには、撮影環境を整えることから始まります。
まずは、商品撮影で使うカメラを用意しましょう。おすすめは「デジタル一眼レフ」か「ミラーレス一眼」です。
スマートフォンのカメラも以前に比べて高性能になり、誰でもある程度綺麗に撮れるようにスマートフォン側が自動で調整を行えますが、
オート機能の精度や細かな撮り方の違いで、同じ空間でも撮影物に違いが出てしまうことが多々あるため、おすすめできません。
一方、一眼レフ等のカメラ機材は撮影の設定をマニュアルで行うのが基本のため、同じ環境、同じ設定で撮影を行うことで、バラバラな撮影日であっても写真の映りを均一に近づけることができます。
②三脚を用意して固定する
三脚も商品撮影には重要な機材です。三脚は被写体までの距離を一定にキープしたり、手持ちではキープが難しい位置でもカメラ位置を保つことができます。このキープ力こそが、ECサイト内での写真写りを均一にするためのポイントでもあります。
高さがある商品を撮影する場合や、商品の位置などバランスを調整したい際には三脚を使用するようにしましょう。
③照明機材を複数用意する
大量の点数を同じクオリティで撮影する場合、時間経過によって明るさに変化が出ないように、屋外ではなく屋内で撮影しますが、屋内であっても室内に設置されている部屋明かりではどうしても暗さが出てしまいます。
その際には、「専用の照明機材」を活用することで、商品をクッキリと浮かび上がらせることができたり、商品全体に満遍なく明かりが当たることで、細部まで正確に色を出すことができます。細部までこだわると、照明機材も複数あると、より細かな調整ができるのでおすすめです。
このように、商品画像をより魅力的に表現するためには、カメラ、三脚、照明機材などが必要となりますが、自前で用意すると、ある程度の高さ、広さがある空間を用意する必要があるため、かなりのスペースを占有してしまいます。
そのため、商品写真にはこだわりたいが、難しいというお客様が多いのではないでしょうか。
そのような場合は、撮影用のスタジオを使ったり、プロのカメラマンに依頼するのがおすすめです。
4.プロが伝授する具体的な撮影テクニック
ここまでは基本ルールや撮影環境をご紹介いたしました。ここからは、実際のテクニックを一部ご紹介します。
①光の方向と影の活用法
商品撮影の際には、光の方向や影を活用し商品の質感を伝えるのもテクニックの一つです。
商品全体に均等に明るい光を当てるのが重要とご説明しましたが、上下左右から同じ明るさの光が当たれば良いということではありません。
実際に手に取って眺めることができないECサイトでは、商品の立体感をどれだけ出せるかが重要です。
これは器のように深さのある商品だけでなく、紙のように薄い商品の厚みも見せる必要があるからです。
立体感を演出する際のテクニックとしておすすめなのは、あえて商品やその近くに商品自身の影を落とすことです。
カメラの背後から光が商品を照らしている状態を「順光」と呼びますが、あえて商品の側面や斜め後ろから光を当てることで陰影をつけることができるため、立体感を演出することができます。
デッサンで画を立体的に見せるように、写真でも光の方向と影の付き方が重要です。
これらを上手に活用することで、手に触れられずとも質感のイメージを伝えることができます。
②商品を撮る高さと角度
商品を撮る高さや角度も、テクニックの一つといえるでしょう。
これを「カメラアングル」、「カメラポジション」と呼びます。
例えば、器を撮ろうと思い、斜め上から器の底が見えるように撮影します。
このカメラアングルとポジションで伝わるのは、実際の使用感です。
ですが多くの人が日常で器を目にするのは、テーブルの上に器が置いてある瞬間ですので、自分がテーブルについて、手に器を取る瞬間が想像しやすいでしょう。どんな料理を盛り付けるか、そのときどんなふうに柄や色が見えるのか、そんなことを考えると思います。
次に、器の内側が全く見えない、真横から水平に撮影した場合です。
このアングルとポジションでは、側面から観察するようなイメージになり、いわば美術品を眺めたり、造形を観察するような印象になります。
このように様々なアングルとポジションを並べて掲載することで、ECサイト上でも使用感やディテール、デザインを多面的に伝えることができます。
③写真にストーリーを加える
商品画像にストーリーを加えると、より魅力的に映ります。写真に加えるストーリーとは、顧客への生活提案です。
その商品のブランディング、ターゲットを踏まえた撮影を行いましょう。
たとえば、「卓上カレンダー」を掲載するときのストーリーを考えてみましょう。
手の平サイズでどんな場所にも置けますが、どこに置けば良いのか少し迷ってしまうかもしれません。
そこで具体的な生活提案として、パソコンの横に添えてみましょう。
そうすることで、周りにおいてあるものとの比較になり、実際のサイズ感がより具体的に伝わります。パソコン上から目線を大きくずらすことなく、カレンダーのアプリを起動することなく週と日付がわかる、可愛いデザインが癒しになる。そんなストーリーを提案することで、より購入後の使い方や生活を想像させることにつながります。
今回ご紹介した3つのテクニックにより、アングルやポジションで、商品のディテールやデザインなどをより表現できるようになり、光や影の活用で質感をより伝えることができますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
写真はただ撮ればいいというわけではなく、商品購入後の活用シーンをイメージしながらストーリーを表現することで、より魅力的に伝わるようになりますので、意識していただくと良いかと思います。
5.まとめ
今回、商品を魅力的に見えるための商品撮影についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
写真のクオリティがECサイトの売上に与える影響は非常に大きいといわれています。
そのため、今回ご紹介したポイントをお役立ていただければ幸いです。
しかし、撮影機材などなかなかご用意が難しい場合もあるかと思います。その際には、ぜひホープンにお任せください。
ホープンの「BPOサービス」では、商品撮影(出張撮影も可能です)から、ECの取扱商品の在庫管理・発送対応まで代行できます。
その他、販売商品を訴求するための動画制作など、さまざまなコンテンツ制作も可能でございますので、お気軽にご相談ください。
こちらもあわせてお読みください。