アフターコロナのPR活動に欠かせない、グリーン・リカバリーの可能性

アフターコロナのPR活動に欠かせない、グリーン・リカバリーの可能性

 

新型コロナウイルスの影響により、人々の生活は大きな変化を余儀なくされましたが、必ずしも悪いことばかりではありませんでした。新型コロナの影響で人間の活動の大半が抑制された事で、地球環境には前向きな影響も現れ始めています。

アフターコロナの社会を考える上で、重要なのが「企業の社会的責任をどのように果たしていくかについて」です。

今回はグリーン・リカバリーに焦点を当てて、アフターコロナにおける企業のPR活動の進め方について、考えていきましょう。

 

グリーン・リカバリーとは

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そもそもグリーン・リカバリーとは、名前こそ環境回復に注目した取り組みのようにも思えますが、カテゴリとしては経済政策の一種と言えます。

コロナ禍で進む積極的な経済政策に合わせて、持続可能な社会を実現し、新しい未来を創造していくことを見据えたものです。
  

■脱炭素の循環型社会を形成

現在推奨されている景気刺激策は、消費の喚起と市場に出回る貨幣を増やし、投資や売り上げを大きくしていこうという考え方です。

グリーン・リカバリーは、大量生産・大量消費を止め脱炭素型の循環型社会を形成し、コロナショック以前とは異なる新しい未来を創造していこうという取り組みです。

持続可能な未来の形成につながる、将来性のあるものへ積極的に投資し、景気を刺激していくことが求められています。

 

■EUでは90兆円規模の経済復興策も

グリーン・リカバリーの発想には、少し日和見的な印象を受ける方もいるかもしれませんが、すでにEUではグリーン・リカバリーに向けた経済復興策が進められています。

現地では「次世代EU」と名付けた90兆円規模のプロジェクトが進行していますが、その要となっているのがグリーン・リカバリーです。再生可能エネルギーの普及や電気自動車への転換など、特にインフラ支援には大きな額の投資が進められています*1。

こういったグローバルでの活動は、少なからず日本も影響を受けています。我が国においても2050年までの温室効果ガスの排出ゼロに向けた表明が発表され、エコ国家としての舵取りが進められています。

遠い国の出来事とは言え、その余波には決して無視できない力があることの証左と言えるでしょう。

 

グリーン・リカバリーがコロナ禍からの復興に不可欠な理由

グリーン・リカバリーに関するコミュニケーションは、新型コロナのパンデミックが起こってから、より活発に行われるようになりました。

人々の生活の復興が急がれる中、それでも地球環境を優先する施策が求められるのには、どのような理由があるのでしょうか。
  

■新型コロナで大きく侵害されたSDGsの目標達成

そもそも新型コロナの影響によって、人々や企業の活動、そしてその目的は大きく方向転換を求められることとなりました。特に今日の企業活動において重要視されて来たSDGsについては、コロナショックによって求められるものにも変化が起きています。

元々SDGsは企業の成長とともに、人命や企業の社会的責任も尊重するという考えのもとに推進されて来たものです。

しかし、コロナショックによって、SDGsにおける「全ての人に健康と福祉を提供する」という目標の達成は大きく遠のきました。今や1日あたり1万人もの感染者が現れ、世界中の病院が逼迫した状況に置かれています。

そんな時代だからこそ、企業のSDGs達成に向けた取り組みはますます重要になりつつあるのです。

▶関連記事:SDGsへの取り組みは本当に必要? メリットを解説!
  

■パンデミックの要因と考えられる森林破壊

また、新型コロナのパンデミックが世界的に起きた要因の一つに、地球環境の破壊もあるとされています。森林の破壊によって、野生動物と人間の生息区域が近づいてしまい、未知のウイルスが容易に人間の社会へ浸透してしまうこととなった、という考え方です*2。

森林破壊によって生物の多様性が失われるだけでなく、人間を始めその他の生態系にも危害が及ぶリスクがあります。そのリスクの結果の一つが、今回のコロナショックであったというわけです。

森林だけでなく、このような環境破壊による感染リスクの可能性は、至る所に隠されています。温暖化による氷河の融解で、凍結していたウイルスが広がれば、さらなるパンデミックが発生するかもしれません。

 

アフターコロナで試されるサステイナビリティのあり方

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このような時代に生きる私たちにとって、持続可能性=サステイナビリティを持った社会を構築していくことは、一つの使命でもあります。

アフターコロナの時代において、サステイナビリティはどのように獲得していけば良いのでしょうか。
  

■PR活動においてサステイナビリティが重要な理由

PR活動においてサステイナビリティが重要視されているのは、地球や社会の将来に対する企業の取り組みが、会社を評価する上で大きな指標となっているためです。

環境保全や経済格差の是正に向けた活動は、コロナショックを通じて益々その価値を大きくしています。企業がサステイナビリティへの理解を示し、実際に行動することで事例を創出していけば、それが企業の価値に直結するというわけです。

グリーン・リカバリーの推進は、持続可能性を持った経済復興を実現するとともに、意味のあるPR活動を促すのです。

■グリーン・リカバリーの実現は、小さな業務改善から

このようなサステイナブルの本質への理解を求める活動も進む中、私たちに求められるのは、まずは身近にできることから始めていく姿勢です。国や大企業が大きなプロジェクトに取り組んでいるからと言って、必ずしも大きな課題に取り組まなければいけないわけではありません。

紙の使用をやめ社内のペーパーレス化を進めたり、廃棄物のリサイクルを推進したりなど、小さな心がけを育てていく事が、グリーン・リカバリーの実現においては重要になるでしょう。

コロナショックのインパクトが大きかった2020年前半、多くの企業が本業の製造ラインを止め、不足する医療器具や衛生用品の製造を行ったことも、医療体制の確保に大きく貢献した事例と言えます*3。

あるいは雇用の維持によって失業率の増加を防ぎ、感染症対策や働き方改革の一環としてリモートワークを推進するなど、今までになかった考え方や取り組みが生まれました。

また、組織同士の関係強化によって、SDGsの達成とPR活動を両立する動きも見られます。減便に次ぐ減便で、従業員に多くの余剰が生まれている航空会社ですが、2021年1月にはトヨタの子会社が数百人規模の人材受け入れを発表しています*4。

従業員の雇用維持はもちろん、業界間で差が広がっている人材不足の穴埋めや、雇用状況の改善による地域社会への経済状況改善なども期待できる施策と言えるでしょう。

人材の流動性が高まることは、柔軟な働き方を推進する上でも重要な文化の変化でもあります。

▶関連記事:人にも環境にも優しい、"バガスペーパー"って?創業50年の印刷会社が提案する「気軽に取り組むSDGs!」Vol.1  

 

まとめ

グリーン・リカバリーに向けた取り組みは、アフターコロナに備えてすでに国家レベルで動き始めています。

とは言え、中小企業や個人でできる取り組みとしては、彼らのような壮大なプロジェクトに匹敵するものである必要はありません。ペーパーレス化を実現して業務効率化を推進し、資源の無駄遣いを止めるだけでも大きな効果を期待できるはずです。

肝心なのは、資源のアップサイクルを心掛けるなど、より環境に負荷をかけない方法を採用することに前向きな姿勢です。環境への意識を高く持ち、社会へ広めようという活動が、グリーン・リカバリーやSDGsへの貢献の第一歩となります。

まずは身の回りの業務や行動の改善から始めてみてはいかがでしょうか。

 

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