
「土用の丑の日」と聞くと、鰻(ウナギ)を食べる日というイメージがありますが、実はこの習慣は、江戸時代の発明家によって生まれた「マーケティング戦略」だったことをご存じでしょうか?(諸説あります)
「今日は土用の丑の日」 というキャッチコピーが、鰻(ウナギ)の売上を劇的に伸ばし、現代まで続く文化となっています。
これはまさに、「コピーライティング」の力で行動を生み出した成功例といえるでしょう。
本記事では、コピーライティングについて「土用の丑の日」を例に歴史を振り返りながら「売れる仕組みを作るコピーライティング」について解説します。
ビジネスにも応用できるヒントが詰まっているかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
◆目次
1.「土用の丑の日」誕生の背景
「土用の丑の日」のコピーライティングは、平賀源内が生み出した?
諸説ありますが、江戸時代に発明家として知られる「平賀源内」が「今日は土用の丑の日」というキャッチコピーを考案し、多くの人々の関心を集め、鰻(ウナギ)の売上を劇的に伸ばしたといわれています。
当時、夏場はウナギの脂が重く感じられ、なかなか売れなかったため、あるウナギ屋が平賀源内に相談を持ちかけました。
そこで彼は、古くからあった「丑の日に『う』のつく食べ物を食べると夏バテしない」という考えを活かし、「土用の丑の日」に鰻(ウナギ)を食べることを広めるキャッチコピーを作成しました。
そして、この言葉は人々の心に強く残り、瞬く間に広がり、鰻(ウナギ)屋の売上は大きく向上したといわれています。
鰻を食べる習慣は現在でも定着した文化となり、「土用の丑の日」にウナギを食べる文化として根付いています。
これは、コピーライティングの力がいかに大きな影響を与えるかを示す、歴史的な成功例の一つといえるでしょう。
2.現代のコピーライティングに活かせる3つのポイント
このコピーライティングがなぜ成功したのかひも解くと、以下の3点がポイントといえます。
①短いフレーズで覚えやすい
「土用の丑の日」という短いフレーズが、覚えやすく興味を引きやすかったことが成功のポイントの一つでした。
消費者の心に残るキャッチコピーは、「短く、覚えやすい」ものが多い傾向がありますので、
「土用の丑の日」のように短く、印象的なフレーズを検討すると良いでしょう。
▼印象に残る現代の「キャッチコピー」について気になる方は、以下の記事もご覧ください。
事例も紹介!心に刺さる魅力的なキャッチコピーの特徴とは?
②既存の文化・習慣を利用している
「丑の日に『う』のつく食べ物を食べると良い」という当時の価値観にも基づいていたため、受け入れられやすかったのも成功ポイントでした。
この手法は、現代のマーケティングでも事例がいくつかありまして、すでに人々が持っている価値観や習慣に寄り添うことで、商品の訴求力が増す可能性があります。
例:既存の文化と結びつけた成功例
①バレンタインデー=チョコレート(企業のマーケティングで定着しました)
②節分=恵方巻(コンビニ業界が広め、習慣化されました)
③「金曜日はカレーの日」(学校給食から派生しました)
このように、既存の習慣文化を活用することで、消費者に受け入れられやすくなる可能性があります。
③緊急性の訴求
「今日が土用の丑の日」と明確に訴求することで、消費者の行動を促したことも成功ポイントといえます。
「今日が特別な日だからウナギを食べるべきだ」と訴えかけることで、消費者の意識に緊急性を生み出し、購入の動機づけを強化することができました。
人は 「今しかできないこと」 に対して、強く関心を持ち、行動を起こしやすい傾向があります。
これは 「希少性の原理」 や 「機会損失の心理」 とも呼ばれ、手に入るチャンスが限られているものほど価値を感じやすくなる心理的な特性です。
現代のマーケティングでは、例えば期間限定の商品や「今だけ特別価格」といったプロモーションが行われていますが、これも心理を巧みに活用したマーケティング手法の一つです。
人は、いつでも手に入るものよりも 「逃すと後悔するかもしれない」 という状況に直面すると、購入や行動に踏み切りやすくなるという特性があります。
このように、「今しかない」「今やるべき」 というメッセージは、人の行動を後押しする大きな力を持っています。
人は 「今しかできないこと」 に対して、行動を起こしやすい傾向があるため、「今日が特別な日」であることを強調することも訴求力を高める一つの手法として活用することもおすすめです。
例:現代のマーケティングでの活用例
①「期間限定」「今だけ割引」(セール訴求)
②「先着100名様限定」(希少性の強調)
③「毎月29日は肉の日!」(特定の日を特別にする)
このように、緊急性・限定性 を取り入れることで、消費者の行動を後押しすることができます。
今回成功ポイントとしてご紹介した3点は、現代のコピーライティングにも通じる「行動を促す仕掛け」 の成功例といえるでしょう。
3.まとめ
キャッチコピーを活用することで、企業のブランディング強化や認知度向上だけでなく、新たな文化の提案にまで発展し後世にも残すことも可能です。
HOPEN(旧社名:PRINTBOY)では、キャッチコピーを踏まえた、チラシや資料作成などの販促物の企画から印刷だけでなく、キャッチコピー浸透のためのブランディングムービーやコンセプトムービーを始めとする、動画制作を「BPOサービス」でご支援可能です。
効果的なキャッチコピーの活用や、ブランディング・マーケティング施策に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
▼ 参考サイト
- 土用の丑の日になぜ、うなぎを食べる?その由来とは?|うなぎの「うな勢」
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著者プロフィール
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