パソコンやスマートフォンなどのデバイスを使い、インターネット経由で学ぶ学習形式を指すeラーニング。インターネットの普及やIT技術の進歩により、多くの学校や企業などがeラーニングの導入を進めています。従来、eラーニングはパソコンやスマートフォンを使うものの、テキストや画像を中心とした教材が一般的でした。しかし、最近では動画や音声を使った教材、コンテンツも増え、今まで以上に効率的な学習が可能です。今回は、eラーニングに動画を用いるメリットや注意点、制作のポイントについてお伝えします。
◆目次
1.eラーニングとは
eラーニングのeとは、electronicの頭文字で、eラーニングは「電子的な学び」と訳されます。紙の資料やテキストを使った教材ではなく、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを用い、インターネット経由で電子テキストを使って学ぶのがeラーニングです。
新しい教育システムとして注目を集めるeラーニングですが、歴史は古く、2000年前後に一部の企業が社内研修にeラーニングを導入しています。しかし、最近のeラーニングが注目を集めている理由として挙げられるのは、教材がテキストや画像中心ではなく、動画や音声が中心になっている点です。
テキストや画像から動画、音声に変わった最大の理由は、スマートフォンの普及により、いつでもどこでも動画の視聴ができるようになった点でしょう。移動通信システムも4G(第4世代)から5G(第5世代)に移行しつつあり、さらに動画を快適に再生できる環境が見込めることから、今後、動画や音声を使ったeラーニングはさらに普及していくと予測されます。
動画を用いたeラーニングの主な種類には、次の4つが挙げられます。
- 講師が画面の先にいる人に話しかける形で行う「セミナー形式」
- 仕事の手順や業務システムの使い方などを説明する「マニュアル形式」
- 社員の働く様子やインタビューなどをまとめた「ドキュメンタリー形式」
- 商品やサービスの使い方や機能を紹介する「コマーシャル形式」
2.eラーニングに動画を用いるメリット
企業が社員研修や教育において、eラーニングに動画を用いると、「テキスト教材よりも理解度が深まる」「コスト削減効果がある」のようなメリットが生まれます。具体的には次のとおりです。
2-1.テキスト教材よりも理解度が深まる
例えば、「業務システムの使い方」「顧客トラブル発生時の対応方法」「商品製造工程の流れ」などテキスト画像だけで伝えるのが難しい研修も、動画を活用すれば深く理解できるようになります。
また、テキストや画像のみの教材は、変化を付けるのが難しく単調になりがちです。単調になれば学習意欲も高まらず、深く理解するのも難しいでしょう。
動画であればBGMやテロップを使用により変化もつけやすく、繰り返し視聴も容易にできるため、より深く理解できる可能性が高まります。
2-2.コスト削減効果がある
社内や社外で行ったセミナーの内容を録画し、そのままeラーニングの教材として二次利用することが可能です。セミナー内容を文字起こししてテキスト教材をつくる手間もかかりませんし、全国にある事業者や支店に講師が出向いて講義をする必要もありません。講師代、交通宿泊費、会場費などもかからないため、大幅なコスト削減が可能です。
また、オフラインのセミナーの場合、場所や参加者によって話す内容が多少なりとも異なる場合もあるでしょう。しかし、動画であれば、いつでもどこでも誰もが同じ内容の研修を受けられるため、研修内容の均一化が図れるメリットもあります。
3.eラーニングに動画を用いる際の注意点
eラーニングに動画を用いる際、注意すべき点は、「テロップを適切に挿入する」「映像や音声のクオリティを高める」「コンテンツごとに動画を切り分ける」「あらゆるデバイスで視聴できる形式で制作する」「手間をかけずに視聴できるようにする」「効果検証と改善を徹底する」などが挙げられます。それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
3-1.テロップを適切に挿入する
動画はテキストと画像中心の教材に比べ、わかりやすく多くの情報を伝えられますが、わかりにくい部分にはテロップを入れて補足するとさらに伝わりやすくなります。動く姿とテキストの両方を同時に記憶できるため、理解度を深めるためにも適切なテロップの挿入は欠かせません。
3-2.映像や音声のクオリティを高める
映像が粗く肝心な部分がよく見えない、ノイズが多くうまく聞き取れないなどクオリティの低い動画では、学習意欲も高まらず、最後まで視聴しても理解が進まない可能性が高まります。動画制作をする際は、コストをかけてでも映像と音声のクオリティを高める必要があります。
3-3.コンテンツごとに動画を切り分ける
電子テキストや画像の教材は、修正がしやすく間違えている箇所や古くなった箇所だけの変更が可能です。しかし、動画は全体の撮影をし直さないと修正できない場合もあり、手間やコストがかかってしまう可能性があるでしょう。
解決策としては、例えば授業1コマ=1本の動画のようにまとめるのではなく、複数に切り分けて制作します。切り分けた箇所だけを修正すればよくなるため、毎回すべての動画を制作し直す必要はなくなり、手間やコストの軽減が可能です。また、短時間の動画は移動時間や電車の待ち時間などでも気軽に見られるため、受講率アップにもつながります。
3-4.あらゆるデバイスで視聴できる形式で制作する
Macでは見られるが、Windowsでは動画の形式を変換しないと見られない。パソコンでは見られるがスマートフォンでは見られないといった制限があると、せっかく制作した動画も見てもらう機会が減りかねません。基本的にどのデバイスを使っても同じように見られるよう制作することが重要です。
3-5.手間をかけずに視聴できるようにする
社員によってITリテラシーに差がある場合、動画のeラーニングを見られる社員と見られない社員で差が生まれてしまいます。どの社員でも簡単に見られるようにするには、誰もが簡単に操作できる動画プラットフォームを活用することが重要です。例えば、利用経験者が多いと思われるYouTubeを使うのも一つの方法でしょう。
3-6.効果検証と改善を徹底する
高い学習効果が見込める動画のeラーニングだとしても、制作したまま改善をしないようでは高い効果も見込めません。利用状況の効果検証は必ず行い、その結果から常に改善を徹底する必要があります。
例えば、YouTubeでは動画ごとの平均視聴時間や再生率も確認できるため、テキスト教材に比べ、より明確な改善も可能です。
4.eラーニングの動画はどうやって制作する?
eラーニングの動画は、セミナー形式であればセミナーをそのまま録画するだけでも制作可能ですが、細かく切り分けたり、つないで見やすくしたりするには、編集技術が求められます。また、受講率をアップさせるためには、高いクオリティが必要になるため、動画制作経験やノウハウがないと難しいでしょう。
受講率をアップさせる動画を制作したい場合は、動画制作のプロに相談するのがおすすめです。コンテンツ制作は自社で行い、実際の動画制作はプロに依頼する形のほうが、高いクオリティの動画制作が可能になります。
5.動画をうまく活用してeラーニングの成果を高めよう
5Gが普及しつつある今、外出先でも遅延なくスムーズな動画再生が可能になっています。以前であれば、敷居の高かった動画でのeラーニングも5Gの普及に合わせ、本格的に導入が進んでいくでしょう。
動画によるeラーニングは、テキスト教材に比べてスマートフォンが1台あれば受講可能なうえ、短い動画を増やせば隙間時間に気軽に視聴できます。特にマニュアル系やドキュメンタリー系は動画だからこそより伝わるコンテンツを制作できますが、慣れていないと難しい面もあるでしょう。
そこでおすすめなのが、外部の専門業者への依頼です。プリントボーイは、50年以上の研修・セミナーの業務運営アウトソーシング経験から育まれた技術力とノウハウがあり、専用のスタジオで受講率をアップさせるeラーニング動画の制作を可能にします。eラーニングで動画活用を検討しているのであれば、ぜひ、お気軽にご相談ください。
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著者プロフィール
- BST編集部
- 業務改善のお役立ちメディア「BST」の編集部です。動画制作やコンテンツ作りはプリントボーイにお任せください。